AI予測モデルでアポ獲得効率を約2倍に改善
過去の架電結果からDataRobotで予測モデルを作成し、リードの属性・アクション全体からスコアを自動で算出しようとしたところ、別の課題が出てきた。DataRobotで高精度な予測モデルを作成しようとしても、正確な情報が十分に集まっていないと意味がなかったのだ。
そこでSansan社が提供しているデータ統合ソリューション「Sansan Data Hub」が紹介された。顧客データを統合するものであり、新名氏によれば、機能は大きく3つあるという。
データ統合……名刺管理ビジネスで培ったノウハウ・ナレッジ・オペレーションを活用し、異なるシステム間の顧客データを半自動的に統合。
リッチ化……登記情報、法人番号、帝国データバンクの情報を付与し会社情報をリッチにするだけでなく、役職ランクや部署分類など人に関する属性も付与し、情報の価値を向上。
「過去にどのような接触をしてきたのか、メールは何回開いたのかといったすべての情報を架電の結果とセットでDataRobotに投入して予測モデルを作成し、どの項目が一番予測に効いているかを特定しました。DataRobotの場合は、どれか1つの変数でスコアを作るのではなく、すべてを加味した上でアポ獲得率をはじき出してくれます。ROC曲線で予測モデルの精度を確認しても、十分精度が高く、実用できると判断しました。
これをMarketoに連携するためには、煩雑なプログラミングが必要になるんじゃないかと思われるかもしれませんが、それは一切ありません。MarketoとはWebhookによって連携するため、実装が非常にやりやすいのです」(新名氏)
MarketoのスコアリングをDataRobotによる予測モデルに置き換えた結果が、下記の図である。
「実際にアポが取れた人たちと重なってる範囲が、『従来のスコアリング』よりも断然多くなっていることがわかっていただけると思います。アポが取れる確率が、1.12倍ほど精度が向上しているということが大事なところです。また、アポの獲得が見込めるサジェスト数も1.92倍になっており、DataRobotによるスコアリングの切り替えで、約2倍相当のアポ獲得の改善を実現しました」(新名氏)