参加者にとっては“今この瞬間しかない”を体験する場
岡本:川久保さんは、いかがですか?
川久保:僕はどちらかと言えば、参加する側にとってのイベントの意味を考えてみました。今はイベントもオンラインで開催できるようになっていて、動画コンテンツも溢れているので、なぜ今さらフィジカルなイベントをするのか? と思われる方もいるでしょう。

川久保:それを考えた時、同じことを聞き、考えるイベントにおいては「同期性」がポイントになると思いました。イベントをアーカイブで見ようとしたら、テレビやSNSといった他媒体が気になったり、あとで見ればいいやとなってしまいますよね。一方フィジカルなイベントは、「今この瞬間しかないから、集中して見て、しっかり考えよう」と、ある意味強制的に思考させられる場です。こうした機会は、貴重なものなのではないでしょうか。
だからこそ大事なのは、「没入」させることです。なるべくメールやSNSなどを見させることなく没入してもらい、その場にいるからこそ考えること、学ぶことを大事にしてもらう体験を作っていく。
こうした体験を作るために、私たちが大事にしているのが、「インプットとアウトプット」です。セミナーやイベントだと、一方的に聞くことが多く、聞いて自分のためになると思っても、なかなかそのあとアウトプットする機会を得られません。その場で自分の言葉で発信することで、インプットがより深まると考えています。
インプット・アウトプットを増やすための試みとしては、我々自身でTwitterのような体験ができるデジタルラウンジ「Hello! CX DIVE」を用意しており、参加者がセッションへのコメントや感想を共有しあえる場というのを用意しています。

川久保:一旦自分で咀嚼し、発信し、相互に刺激を受けることは、「同期」であり「没入」するイベントだからこそ得やすい体験です。自分の思考を発信するとともに、他社の思考からさらに学ぶ。そうした体験を参加者にしてもらうことがイベントにおいては大事だと思っています。
「熱量あるイベント」作りは、登壇者の熱量を上げるところから
岡本:「Bigbeat LIVE」と「CX DIVE」の共通点として「熱量が高い」ということがあると思います。熱量あるイベントを作るために、どのようなことを意識されているのでしょうか?
濱口:大事なのは、主催者の想いを発信してくれる登壇者の方たちと、想いがつながるかどうかですね。登壇する皆さんに一緒にやってほしいという想いを、どれだけ伝えられるかが熱量を作っていくのではと思っています。そこで、当日だけでなく事前に登壇者の方々とコミュニケーションを取る機会を設けるなど、一緒につくりあげていくためにできること、やれることを徹底的にやっています。

濱口:また我々は、「Bigbeat LIVE」のキャッチコピーを「『勉強になりました』は敗北の言葉」と掲げています。イベントは勉強の場ではない、マーケティングで経営を変えるというのがイベントのテーマなのだから、変えさせないと負け。具体的に「これを明日からやってみます」というものを何かひとつでもつくれるイベントにしたいなとの考えです。