“3要素”を満たす企業はコロナ禍でも売上増
日本オムニチャネル協会は、日本の店舗・拠点を持つ企業のオムニチャネル化促進を目的に2020年3月に設立。発足を記念した特別オープンウェビナー「小売業はこれからどう生き残ればよいか~アフターコロナへの具体的アプローチ~」では、会長の鈴木氏がモデレーターを務め、理事やアドバイザリーを務める6名が登壇した。
鈴木康弘氏:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長(元 セブン&アイHLDGS.取締役CIO)
林雅也氏:ecbeing 代表取締役
逸見光次郎氏: オムニチャネルコンサルタント(元 キタムラ執行役員/EC事業部長)
大西理氏:マーケティングコンサルタント(元 オンワード樫山 デジタル推進部長)
植野大輔氏:DX Japan代表(元 ファミリーマート デジタル戦略部長)
小橋重信氏:リンクス代表(元 オーティーエス 執行役員)
渡部弘毅氏:ISラボ代表(元 日本テレネット株式会社 所長、日本IBM シニアコンサルタント)
最初に提示されたトピックは、現在小売業ではなにが起きているのか。鈴木氏は、コロナ禍以前に小売業が抱えていた課題を次のように提示した。
・人材不足…人件費が高騰するも、手が打てずにいた。
・生産性向上…意識はあったが、長年やってきた業務を変えられなかった。
・デジタルシフト…「ネットショッピングをやっていればデジタル」という認識に留まっていた。
・持続的社会への取り組み…「企業/自分主義」から脱却できずにいた。
これについて逸見氏は「デジタルに投資してきた企業と、いつか投資しようと思いながらできていなかった企業では、コロナ禍における困り具合が全然違う」と指摘。以前からの課題が顕在化していることを示唆した。
次に鈴木氏のオンラインサロン「デジタルシフト塾」において収集した情報を基に、3月・4月に売り上げを向上させた業界・企業がもつ共通点が議論された。一番大きな伸びを見せたのはECだが、スーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターなども好調であることがうかがえる。
好調の業界・企業における共通点は、コロナ禍における消費者心理「生活必需品が欲しい」「財布にやさしい」「家まで持ってきてほしい」の3つにフィットしていることと結論づけられた。