効果分析の自動化で、スピーディーな予算アロケーションを実現
こうして組織改革まで踏み込んで大胆に効果検証体制を見直し、効果分析の一本化と自動化を実現したことにより、少しずつ変化が起こってきたという。
「まずは、工数削減ができました。実は組織を統合してみたら、違うチームでまったく同じ作業をしている人がいることがわかったんですよ。Datoramaとマゼランでデータを一元管理すれば、重複作業は発生しない。作業効率が格段によくなりましたね」(馬場氏)
現場のメンバーもこれまではレポート作成に莫大な時間と手間がかかっていたが、今では他の業務に時間を有効活用できるようになったと喜んでいるそうだ。人事異動があっても、Datoramaのダッシュボードを一緒に見ればすぐに状況を伝えられるため、引き継ぎの負荷も減ったという。
そもそもの目的だった適正な広告宣伝予算のアロケーションも短期間で実現した。
「Datoramaとマゼランを用いた予算アロケーションを導入したのは2020年4月ですが、それからほんの1~2ヵ月でテレビCM、交通広告、デジタル広告のすべてについて、どのような予算配分が適正なのか見えてきました。既に6月のメディア配分で実践しています。これほど早く、作業工数をかけずに予算のアロケーションが試算できるとは思っていませんでした。今まで施策の分析に費やしていた時間を、分析に加え次の予算のアロケーションという本質的な業務に充てられるようになりました」(馬場氏)
データへの向き合い方にも変化
それに加えて馬場氏が大きく変わったと感じているのは、データに向き合うメンバーの姿勢だ。
「これまで各メディア担当は、自分が責任を負っている数字しかチェックしていませんでした。しかしDatoramaとマゼランを導入したことで、あらゆるデータをいつでもリアルタイムで見られるようになった。その結果、これまでは各キャンペーン単位でとらえていた広告宣伝効果について、通年や数年といった中長期的な目線で変化を見るクセが徐々についてきている気がします。メンバーの視野が広がり、一つ上のレイヤーで分析するようになっていけばと感じています」(馬場氏)
これからの展望について馬場氏は、事業部側のマーケティングKPIを達成するための、適正なコミュニケーションプランと費用を宣伝部で分析し、提案できるようにしたいと考えている。
「Datorama×マゼランの組み合わせで、どのような目的を達成したいのかを常に意識し、そのための分析ができるようになりたいですね。これから先リモートワークが主流になれば、ミーティングをしてもメンバーの細かな表情や言葉のニュアンスを読みとるのがなかなか難しくなってきます。その時、データをもとに効果分析とディスカッションを行う体制があれば、ファクトに基づいてすばやく判断をくだせるはずです」(馬場氏)
大きな組織変革を行い、Datoramaによるオンライン・オフラインデータの統合に取り組んだKDDI。今後は宣伝部内で蓄積した分析結果や知見を成功事例として、他部署や経営陣と共有していきたいという。それによって同社における広告宣伝の位置づけがより一層高まっていくことを馬場氏は期待している。
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