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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

話題商品・サービスから探る、開発のアイデアを出す秘訣【前編】

全社員がアイデアマンとして商品開発に従事

おひとりさま用 超高速弁当箱炊飯器
おひとりさま用 超高速弁当箱炊飯器

Q1:おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器の開発背景は?

 卓上で炊き立てのおいしいご飯を食べられたら、そんな思いを叶えるお一人様用ハンディ炊飯器を2017年9月に発売しました。しかし、炊飯時間が約50分かかるため、さらに時間を短縮したいという思いからおひとりさま用超高速弁当箱炊飯器の開発がスタート。

 どのような構造にすれば良いのか、ヒーター、プログラムなど試行錯誤の上、ヒーターを底面に張り巡らせるように配置し、窯底のヒーター面積を最大化した結果、窯の側面まで効率良く熱が伝わるようになりました。

 そして、形はお弁当箱型にすることで、炊きあがったお米を器に移さず食べられるため、まさにお弁当箱感覚で使うことができます。

Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?

 サンコーでは新商品の企画の提案をアルバイト含む全従業員が毎週必ず行うルールとなっています。具体的には、全従業員が閲覧、コメントできる専用のWeb掲示板に投稿。日常でユーザーの気持ちになって、「ここが困っている」「こんな風になったら便利だ」という視点から商品を開発しています。

 また、商品開発において、様々な機能を持たせて付加価値を付けることはせず、基本コンセプトを重視した商品作りを心がけています(価格が上がる、操作がややこしくなるなどの理由のため)。

 デジタル化に関しては、海外の生産工場とのやり取りはビデオチャットを使い、映像や音声でより密接にコミュニケーションを取っています。

サンコー株式会社 広報部部長 﨏(えき)晋介氏<br>2015年にサンコーに入社。2016年に広報部を立ち上げ、広報業務を現在もすべて一人で行う。広報支援会社などを使わず、メディアの方とすべて直接連絡を取り、今ではテレビディレクターから企画の段階で相談を受けることも多い。2019年テレビ紹介実績157回。新商品開発時には広報的な目線でネーミングや商品セールスポイントを提案。

サンコー株式会社 広報部部長 﨏(えき)晋介氏
2015年にサンコーに入社。2016年に広報部を立ち上げ、広報業務を現在もすべて一人で行う。広報支援会社などを使わず、メディアの方とすべて直接連絡を取り、今ではテレビディレクターから企画の段階で相談を受けることも多い。2019年テレビ紹介実績157回。新商品開発時には広報的な目線でネーミングや商品セールスポイントを提案。

色も含めて伊右衛門の価値を提供する

伊右衛門ラベルレス
伊右衛門ラベルレス

Q1:伊右衛門ラベルレスの開発背景は?

 2020年4月、伊右衛門は「淹れたての緑茶の色・味・香り」を目指し、鮮やかな緑色の水色(すいしょく)と本格的な緑茶の味わいを両立した、新しい価値を持ったペットボトル緑茶に進化しました。香り成分やうまみが豊富な一番茶を「伊右衛門」本体史上最大の比率で使用した他、サントリー独自の技術によって、緑茶本来の鮮やかな緑色の水色をお届けすることが可能になりました。

 味・香りはもちろん、色も含めて伊右衛門の価値を実感いただきたいという思いから、本商品を開発するに至りました。通常よりもラベル面積を小さくすることで、より淹れたてのような水色が際立つパッケージとなっています。

Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?

 「他社や競合の商品が何をしているか」に意識を割かれがちですが、「お客様にとって何が価値となるか」を最重要に考えるようにしています。そのためにも、ユーザー像を把握することにはしっかりと時間をかけています。

 近年、お客様の行動の可視化は日に日に進んでいますが、デジタルでわかることにはまだ限界があると思っています。POSデータなどの定量情報の多くはお客様の行動の「結果」に過ぎず、行動に至った価値観や思考などの「過程」を明らかにするためにはアナログな手法でしかわからない情報も必要です。デジタル・アナログの両方を掛け合わせることを意識して商品開発を行っています。

サントリー食品インターナショナル株式会社 ブランド開発事業部 阿比留隆太氏<br>2013年サントリー食品インターナショナルに入社。大阪配属となり、サンリーブおよびサントリーフーズにて量販店営業を担当。2016年にサントリー食品インターナショナルのブランド開発事業部に異動となり、「伊右衛門」「伊右衛門特茶」「烏龍茶」「黒烏龍茶」のブランドマネジメント業務に従事。現在は「伊右衛門」の商品開発・企画業務を担当。

サントリー食品インターナショナル株式会社
ブランド開発事業部 阿比留隆太氏

2013年サントリー食品インターナショナルに入社。大阪配属となり、サンリーブおよびサントリーフーズにて量販店営業を担当。2016年にサントリー食品インターナショナルのブランド開発事業部に異動となり、「伊右衛門」「伊右衛門特茶」「烏龍茶」「黒烏龍茶」のブランドマネジメント業務に従事。現在は「伊右衛門」の商品開発・企画業務を担当。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:44 https://markezine.jp/article/detail/33656

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