CHOCOLATEInc.
「今必要とされるエンターテインメント」を感じとり、柔軟に届ける
Zoomフル活用で劇団を結成
当社では、主に「劇団テレワーク」と「REMOTE STUDIO」の立ち上げを行いました。
劇団テレワークは、リモート時代の新しいコンテンツについてプランナーたちがZoom上でブレストする様子を配信する「CHOCOLATEZoomradio」から生まれた企画で、Zoomを活用して一度も会わずに演劇を作り、配信まで行う試みです。4月5日に第0回公演「Zoom婚活パーティー」を配信し、その後即興劇、本公演をいくつか行ってきました。

REMOTE STUDIOはパートナー8社とともに設立した場所を持たないスタジオで、コンテンツの企画・制作をリモート体制で一気通貫で行います。実践で得た知見や、世界中から集めた事例はオープンSlackで共有しており、クリエイターや制作会社の方は誰でも自由に情報の閲覧・提供が可能です。
「オンライン体験」を模索して見えたもの
Zoomでの公演は好評で、大きな手応えがありました。“視聴者がリアルタイムでコメントをしながら観劇する”というスタイルで、普通の演劇とはまた違う楽しみ方が生まれました。公演の機会が途絶えてしまった俳優さんたちも、僕たちと一緒に楽しんで作ってくださり、「新たな可能性を感じた」との感想もいただきました。また、最新のライブシネマ「迷宮クローゼット」では、3万人以上が1時間もある物語を同時接続で観劇してくださり、アーカイブも30万回再生を突破しています。
REMOTE STUDIOには現時点で1,800人の方が参加してくださり、リモートによって生まれた新しい制作ノウハウやコンテンツ事例を随時共有してくれています。
今回私たちはいろんな形で、「オンライン体験」を模索してきました。今だからこそ見てもらえるものもあれば、これからカルチャーとして残り続けていくような、強度の高いコンテンツもありそうだという感触です。私たちは、その模索から見つけた可能性と、世の中に今必要なエンターテインメントを肌で感じながら、新しいコンテンツを作り続けます。ネガティブな感情や優しくない考え方が生まれてしまいそうなとき、それに触れることでちょっと救われるような、視点が1つ増えるような、そして明日が楽しみになるような、そんなコンテンツを生み出し続けたいと考えています。

CHOCOLATE Inc. CCO(劇団テレワーク企画・プロデュース)
栗林和明氏
CHILLNN
「社会の要請に応じて業界全体が進化する」その仕組みを構築
STAY HOMEはすべての人にベストな選択肢だったのか?
緊急事態宣言の期間中、宿泊施設では稼働率の低下や休業が続き、私たちのホテルも休館を選択しました。従業員とゲストの健康と安全を守るため、「STAY HOME」を企業として呼びかけないといけないと強く感じたためです。その一方で、「未来に泊まれる宿泊券」「ホテルシェルター(HOTEL SHE/LTER)」の2つのアイデアを実現しました。
未来に泊まれる宿泊券は、いつか旅に出る日のために、未来の宿の予約ができる宿泊券販売サービスです。3月末頃当社のCTOである永田が着想し、1週間の実装期間を経て、4月7日にリリース。2019年の4月から開発を続けていた宿泊予約のD2Cプラットフォーム「CHILLNN(チルン)」の一部機能を切り出して提供したことで、スピード感を持って動くことができました。現在ご利用いただいているのは、複数のホテルを運営する中規模ホテルから、ゲストハウスなどの小規模施設、ブティックホテル、温泉旅館まで様々です。
また「ホテルシェルター(HOTEL SHE/LTER)」は、家にいられない、家に帰りたくない、家以外の拠点が欲しいと望むゲストに対して、感染対策を行いながら運営している全国のホテルが、客室を1週間単位で低価格で貸し出すサービスです。実際に休館して気づいたのは、果たしてすべての人にとって「STAY HOME」がベストな選択肢なのかということ。国内外の報道や周囲の声から、自宅にいることがかえってリスクとなっている人が少なからず世の中に存在していることがわかり、サービス提供に着手しました。HOTEL SHE,にて医療関係者のフィードバックのもとテスト運用を実施し、現在は全国各地でゲストの受け入れを行っています。
社会からの要請に柔軟に応じられるブランドに
今までのホテル業界は観光業における装置産業として存在していましたが、コロナショックに適応し生き残るには、個人や法人に長期的に空間を賃貸する「不動産業的」な産業構造へと変化するか、あるいは衣食住を包括するサービスであることを活かした「福祉施設的」なサービスへと変化していく必要があると考えるようになりました。社会の要請に応じて役割を変えることのできるブランドであり続けるとともに、ホテル業界全体で手を取り合って進化できるような道筋作りを行っていきます。
またこれからのブランドは、企業としてのポリシーを持つことが欠かせないと思います。私たちはL&G GLOBAL BUSINESSを、ただホテルを作り運営する企業ではなく、選択肢の多様性のある社会を作るための企業だと考えてきました。そのスタンスをサービスやプロダクトを通じて表明することで、生活者の方々との信頼関係を構築していきます。

CHILLNN 代表/L&G GLOBAL BUSINESS 代表/
ホテルプロデューサー 龍崎翔子氏