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テレビの価値は、リーチだけに非ず データで理解するコロナ時代のテレビ活用

広告主のテレビ活用は変わるのか

 続いて、リクルートの金井統氏も加わり、本ウェビナーのメインテーマ「コロナ禍におけるメディア戦略の変化、そしてテレビの役割や使われ方はどう変わるか?」のディスカッションに移る。まず金井氏は、「コロナ禍で、企業のデジタルトランスフォーメーションが加速した」と指摘。実際に、リアルな小売りに強い企業がECを強化したり、接客や営業活動がオンライン化したりと、ビジネスのデジタルシフトを実感する機会は増えている。加えて、デジタルプラットフォームの視聴数も伸びている。

 その変化を踏まえて金井氏は、「広告主のテレビ利用の構造が変わるだろう」と仮説を述べた。情報の浸透スピードと投下量の観点から、リーチの王様は現在もテレビであることは間違いない。だが先述したように、企業のビジネスがオンライン化していくと、テレビをはじめとしたメディア戦略も変わってくるだろう。

 TVISION INSIGHTS 共同創業者/代表取締役社長 郡谷 康士氏(左)リクルート HRマーケユニット APマーケティング部 兼 中途マーケティング部 部長 金井 統氏(右)
TVISION INSIGHTS 共同創業者/代表取締役社長 郡谷 康士氏(左)
リクルート HRマーケユニット APマーケティング部 兼 中途マーケティング部 部長 金井 統氏(右)

 「テレビの役割は、リーチの真ん中を取っていくことでした。しかし、デジタル系プラットフォームへのリーチ分散はますます進むため、単なるリーチ獲得のみではなく、目的に応じたテレビCMの活用が求められます」と金井氏。そして、「デジタルシフトに伴って生まれる新しいブランドやD2Cプロダクト、オンラインで完結するサービスなどが、より一層テレビCMを活用し始めるのではないか?」と続けた。

 スピード速くスケーラビリティが必要なサービスの認知拡大には、テレビCMのリーチは魅力的だ。オンラインでサービスが完結するメルカリやSpotify、各アプリゲームも、テレビCMを活用し、ユーザー数を増やしてきた実例がある。コロナ禍で対面での利用促進が難しい環境下の中、オンラインで完結するサービスこそテレビで顧客を獲得しやすい時期とも考えられる。

 一方で、景気の先行きが見えない中、多額の投資が必要なマス広告の予算取りは、マーケターの悩みどころである。こうしたアロケーション課題に対して金井氏は、マーケティングの本質に立ち戻ろうと提案。「マーケティングは、利益へヒットしなければなりません。データでファクトを積み上げ、戦略論を持って説明できるかが重要です。中長期的に見たとき、利益に繋がる論があり、HOWとしてマス広告が必要なのであれば、予算を獲得する理由になるでしょう」と話す。

 金井氏は、担当する求人情報メディア『タウンワーク』のテレビCMを4月と5月に実施している。これはコロナ影響下においてバイトができない・採用が難しいなどの事情があると理解した上で、たとえば配送などの仕事は人材を必要としており、実際に求人情報を必要とする人もいることをデータからも捉えて実施したと明かした。また、広告クリエイティブもコロナ禍だからと過度に構えるのではなく、視聴者に楽しんでもらえるかを考え、環境や時流に沿って生活者の価値観の変化に合わせていくことが大切だと語った。

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テレビの価値を再定義する

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マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34039

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