SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZineプレミアムセミナー

テレビの価値は、リーチだけに非ず データで理解するコロナ時代のテレビ活用

テレビの価値を再定義する

 では、これからのテレビはどうなっていくのだろうか。郡谷氏は、OTT(Over The Top、デジタルコンテンツを視聴・閲覧できるサービスの総称)の広がりや、在京民放キー局が立ち上げたTVerの認知、利用の高まりに言及しつつ、「“テレビ”と言うとき、それはテレビコンテンツをさすのか、デバイスを意味するのかを定義すべき」と話す。たとえば、民放のテレビ番組を配信するTVerは、アプリやブラウザだけでなく、テレビからも見られる。またYouTubeやNetflixを広いリビングルームのテレビで見ることは、海外でも日本でも珍しくない。

 そもそもテレビはデジタルであり、テレビとインターネットの境界線が良い意味で崩れているのだ。すると、比較軸はテレビとYouTube、テレビとTVerといったものだけではなく、多様化する。モバイルとテレビでYouTubeの人気コンテンツに違いはあるか? また、テレビから地上波コンテンツとYouTubeを見たとき、動画視聴意向の相乗効果はあるだろうか? など、「どんなコンテンツが、誰にどのデバイスで見られているか」の切り口が、生活者の視聴態度の違いや広告効果を見るポイントになる。これが、郡谷氏の考えだ。

 またテレビには、独自の価値がある。テレビは、誰かと一緒に見るマルチパーソンデバイスであり、共視聴から複数人へのアプローチが望める。在宅時間が増えたことにより、家族でテレビを見る機会が新しく生まれると、視聴質にも変化が起きるだろう。郡谷氏は、「テレビには、様々な評価軸で見ると新たな価値がある。生活者の行動が変わっているのに、地上波の視聴率だけを追うことが重要でしょうか」と問いかけた。また、米国ではブランドセーフティの観点から、テレビが再評価されていることにも触れた。

 テレビの新たな価値を見つけ、再定義するのはデータである。近年では、地方局の視聴関連データも増えた。金井氏も「地方局のデータは、マーケティング観点で歓迎。ローカルのテレビ影響は大きく、柔軟な番組タイアップ等も可能性がある」と期待を寄せる。郡谷氏も引き続き、データで様々な変化を読み解き、マーケターの意思決定の質をサポートしたいと語った。

 「これからのテレビ活用は、視聴デバイス×コンテンツ×利用導線を緻密に設計した上で、目的に応じて利用を組み込んでいくことがより重要になる。まだまだ手探りですが、業界のみなさんと一緒に考えながら、マーケティングを進化させていきたいです」(金井氏)。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZineプレミアムセミナー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/09/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34039

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング