インサイドセールスのためのコンテンツを魅力的に
効果的なコンテンツ作成をするためには、やはり魅力的な言葉や絵が重要だ。これまでは自社のプロダクトのスペックや優れたところを全面に出した提案やプロモーション活動を行ってきた。しかしその考え方を一新し、今どの業界の顧客がどんなことに興味関心があるのかといった市場調査をするようにした。
そして、それに合った解決方法をソリューションとして提案していくことで、段階的に顧客の購買意欲を醸成していった。

「顧客視点にしたことが非常にうまくいきました。メールには写真を必ず3枚以上入れ、気を引く効果的なタイトルを付け、業界のトレンドワードなどを入れるようにしました。市場レポートの無償提供なども行っています」(藤長氏)
それまで集客に悩んでいたウェビナーは、パートナー企業と共催することで、内容のバリエーションを拡大。それにともない、参加者も増えていった。
こうして、インサイドセールスにおける実績は、非対面完結型のオンラインで受注するものが2019年時点から2倍に、インサイドセールスで醸成した案件を直販営業にトスアップしたものは20倍にと非常に大きな成長を遂げた。
成功のカギは組織連携
営業成果を出すためには、データ連携だけでは十分ではない。データ連携をした上で、マーケティング、インサイドセールス、直販営業の3つの組織が目的をしっかりと理解・共有し合い、強固に連携していくことが重要だ。こうした組織連携が、デジタルマーケティング・セールスが成功した大きな要因となった。
「コロナ禍でテレワークが広まり、オンラインでの営業活動を余儀なくされました。50〜60代の世代の方の中には、コロナが収束したらこうした状況は元に戻るだろうと考えている方もいるかもしれません。しかし、絶対にそうはなりません。今後も効率性の高いデジタルマーケティングはどんどん進化しますので、私達の成功事例や失敗事例は皆様に広くお伝えし、共にデジタルマーケティングを強く推進していきましょう」(藤長氏)
最後に藤長氏は、今後も続くであろう非対面での営業・マーケティング活動に対して、以下の言葉を残し、セッションを締めくくった。
「デジタルなくして、コロナ禍のクライシスを乗り切ることは絶対にできません。デジタルの力を活用し、全社で協力してこのクライシスを乗り切っていきたいと考えています」(藤長氏)
ソフトバンクのように、営業は強いがマーケティングにそこまで注力できていなかったというBtoB企業は非常に多いはずだ。ベテラン営業が持つスキルやマインドを活かしてインサイドセールス組織を改革したり、パートナー企業とウェビナーを共催したりと、自社が持つリソースを全開に活かした同社の取り組みは、多くのBtoB企業の参考となるのではないだろうか。