コロナ禍のため対面での営業活動が難しくなっている中、思うような成果を出せないという企業も少なくないだろう。9月1、2日に開催された「MarkeZine Day 2020 Autumn」では、ソフトバンクの藤長国浩氏が登壇。同社の法人部門ではマーケティング・営業活動のデジタル化を推進し、業績を伸ばしているという。どんな取り組みをし、成功に導いたのかが語られた。
営業部門へのコンタクト数が急増
「MarkeZine Day 2020 Autumn」に登壇した藤長国浩氏は、ソフトバンクで法人事業戦略とマーケティングを統括している。コロナ禍で対面での商談ができないなど営業活動がしづらくなっている中、同社の法人営業部門ではマーケティング並びに営業活動のデジタル化を推進し、前年以上の成果を上げている。
「メールマーケティング、ウェビナーの開催などを行い、営業部門へのコンタクト数は急増しました。対面営業のときよりも多くの商談をオンラインで行っています」(藤長氏)
まず、商談件数については、2019年7月と2020年7月で比較したところ1年で1.2倍に増加。そのうち、オンラインでの商談が81%を占めていたという。

セミナー/ウェビナーについては、2019年7月にはリアルな会場でセミナーを開催していたのに対し、今年7月には様々なテーマのウェビナーを開催。集客人数は16倍にまで伸長した。
メールマーケティングについても本格的に各業界に応じたコンテンツを制作し、マーケティングオートメーション(MA)を駆使して配信を最適化。配信件数も昨年に比べて6倍まで増えた。
ソフトバンクは今後さらに、押印が必要なサービスを電子契約にし、サービス切り替えサポートもリモート対応に変更。これにより、案件発掘から商談、契約、運用サポートまでのデジタル化を推進していくという。
「会社全体でデジタル化に取り組んでいるところが弊社の強みだと思います。メールマーケティングで新規顧客を獲得し、問い合わせから10日ですべてオンラインを通して受注したという例もありました。ただ、すべてをオンラインにするのではなく、従来のオフラインでのやり方も融合し、より効率性の高いハイブリッド営業を目指しています」(藤長氏)

順風満帆ではなかったデジタル化への道
ソフトバンクでは、対面営業を中心としていた頃から売上や営業利益を毎年伸ばしていた。2018年には売上が6,205億円、営業利益が763億円となり、2019年にはさらにこれを上回る結果を出したという。

「弊社は強い対面営業が自慢の1つでした。顧客が望むこと、考えていることを何度も足を運んですべて聞き、その課題を解決していくというやり方を最大の武器としていました」(藤長氏)
そうした強い営業力で2018年時点では大企業の95%との取引を実現。しかし、顧客のもとに何度も足を運ぶ対面営業では中小企業へのリーチに限界があり、SOHO/零細企業にいたってはリーチ済み企業が10%という課題を抱えていた。
ソフトバンクが営業活動のデジタル化に取り組み始めたのは、2018年の秋。海外の同業他社がデジタルマーケティングで大きな成果を上げていたことを知ったのがきっかけだという。
マーケティング部門と営業部門を統合した新しい部門を作り、マーケティングとインサイドセールス(電話、メール、Webセールス)を連動して、中小企業の顧客獲得を目指していった。しかし、最初はメールのターゲティングもできておらず開封率は低く、ウェビナーの集客数は1桁、データ連携も未熟といった状態で、その道のりは順風満帆ではなかった。
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平田 順子(ヒラタ ジュンコ)
フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...
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