SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2020 Autumn(AD)

マーケティング部の貢献度を可視化するには?重要なのはレベニューモデルの設計

阻害要因の解決方法と考え方

 1つめの課題として挙がっていた「設計の不備」に関する解決の糸口として、プロセスを各部門が理解して同じ土台に立って会話する必要があった。そのためマーケティング、インサイドセールス、営業それぞれの担当領域を改めて明確化させた。

 そして、リード創出のタイミングも明確化するために、「エイトレッドリード」と「パートナーリード」の2つに分けて定義をした。

 エイトレッドリードの創出タイミングは主にWebでの問い合わせや資料請求。パートナーリードは実際にアカウント営業への相談が入ったときと、、商談化とほぼ同じリード創出タイミングとなっている。最終的なデータの可視化を目指すためにも、リード創出の理由やタイミングの認識を合わせて把握することが必要だった。

 「全体のリード創出から商談受注までのプロセスの理解と整理を行い、各部門が理解することで、共通認識を持てるようになりました」(高岡氏)

 2つめに、日々の業務の「運用の不備」を洗い出すために、マーケティングファネルを定義し、Marketo Engageのライフサイクルモデル機能を活用して、運用の最適化を行った。Marketo Engageのライフサイクルモデルとは、企業ごとに設定したマーケティングファネルをシステムに置き換える機能だ。一つひとつのフォルダがファネルステージとなり、これらをシステム化することで、自社のリードがどのファネルに位置しているのかが可視化される。

 毎月のリード数やステージごとのコンバージョン率、それぞれの滞在日数もわかるので、ステージ別に顧客の状況を把握でき、最適な施策の分析、実行へとつなげることができた。

 「自動取得できない部分は、営業担当者の手動入力を含め、すべての流入経路を洗い出して、漏れなく流入チャネルの明確化を行いました。弊社はこのような仕組みを様々なツールを組み合わせて実現しています」(高岡氏)

株式会社エイトレッド マーケティング部 課長代理 高岡 美咲氏

顧客との接点をすべて洗い出し可視化する

 3つめに、商談受注になったリードの創出経路をデータ化し、「データの整備」をするために、まずは顧客との接点の洗い出しを行った。なぜなら、最重要データとして見るべき数値は、「マーケティング施策別の商談から受注結果」だからだ。

 よくあるマーケティングのKPIとして、リードの獲得数、メールの開封率、セミナーの申し込み状況、単発施策の実行結果といった様々な獲得数字をKPIとしている例を耳にする。しかし、本来見るべき数値は、マーケティング施策別の商談作成から受注結果だと高岡氏は語る。

 具体的には、ホワイトペーパーやカタログなどの資料のダウンロードや、名刺の交換とセミナーの申し込みなど、顧客の接点をすべて洗い出した。これらがWeb経由でのリードの場合は、広告か自然流入かも追える設計を行っていった。これによって、Web施策のどこに予算を投下すべきかが明確になるという。

 チャネルとしてリード取得数が多くても、商談の受注には寄与していない場合も多々ある。商談の創出数、または受注金額のところまで俯瞰して見なければ、効果測定ができたとはいえない。企業によってどこに重きを置くかは異なる。しかし、データの整備によって最終目標に対しての現状把握、改善に向けての費用の投下先、投資すべきマーケティングチャネルは明確となってくる。

 「データの整備は、チャネルの明確化とデータ入力を適切に行うことで、効果のあるチャネルが明確にわかるようになりました」(高岡氏)

 最後に「データの一元管理」を実現させるため、レベニューモデルで構築した仕組みをBIで構築した。

 Marketo EngageとSalesforceのデータを一元的に見る機能がある。これを使うことでチャネル別の商談獲得件数、新規リード数や受注件数などのキャッチアップが可能となった。

 導入後、注目していなかった施策の商談化率が高く、効果的だったことが判明した。このようにチャネル別の効果を細分化してウォッチすると、今まで見えていなかった施策実績が分析できるようになる。

 「BIツールを活用することによって、数値を一気通貫で可視化しました。これらを実行してエイトレッドレベニューモデルが完成となりました」(高岡氏)

 エイトレッドは、このレベニューモデルを通して「共通言語化」をしていくことで部署をまたがって同じ言葉で再定義を行ってきた。

次のページ
レベニューモデルを使ってKPIを設置する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2020 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

丸山 真希枝(マルヤマ マキエ)

フリーライター。IT・Web業界を中心に100社以上のボードメンバーへの取材を行う。起業・マーケティング・クリエイティブなど幅広いトピックスを担当。趣味はヨガと瞑想。体幹と柔軟性を強化中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/12/03 11:00 https://markezine.jp/article/detail/34504

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング