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MarkeZine Day 2020 Autumn

HOW重視のマーケティングから脱却せよ 西口&長氏が明かす、今後求められる顧客起点のマーケティング

 MarkeZineDay2020 Autumn 2日目に行われた、M-Forceの西口一希氏、長祐(ちょう・たすく)氏によるセッション「顧客起点で描けているか?これからの戦略と戦術に欠かせないこと-マーケティングと経営に必要な『顧客戦略』-」のレポートをお届けする。顧客戦略とは、「WHO(誰に)」と「WHAT(何を)」の組み合わせだが、実践できている企業は少ないという。顧客を9つのセグメントに分けるフレームワーク「9segs」を用いた、顧客起点の本質的なマーケティングが語られた。

顧客理解を導くフレームワーク「9segs」とは

 ともにP&G出身で、先輩と後輩の関係にあるスピーカーの西口氏と長氏は、2019年に顧客起点のマーケティングモデルへのシフトを支援する企業を設立し、様々なクライアントに対し「経営とマーケティング」をつなぐ本質的な顧客起点マーケティングの支援を広げている。

 セッションは、西口氏の「マーケティングの戦略や戦術を語る前に、顧客が誰なのかを理解していますか?」の問いかけから始まった。

M-Force株式会社 取締役(Co-Founder) 西口 一希氏
M-Force株式会社 取締役(Co-Founder) 西口 一希氏

 M-Forceでは、マーケティングを「どのような顧客(WHO)に、どのような価値・体験(WHAT)を、どんな施策(HOW)で提供するか」と定義。この「WHO」と「WHAT」の組み合わせが、顧客戦略なのだ。

 そして、その顧客戦略には、西口氏が考案したフレームワーク「9segs」の理解が前提となる。

 9segsとは、自社ブランドだけでなく、競合ブランドも含めた包括的な顧客データを定量化し、9つの主要な顧客セグメントに分解。顧客情報を戦略的に分析する手法だ。次のように、設計する。

 まずは、顧客を5つのセグメントに分類。

 続いて、未認知顧客以外の各セグメントを、購買に対して「積極的」「消極的」に分けていく。消極的とは、「他のブランドを使いたいが、何かしらの理由で仕方なく自社のブランドを使っている」状態だ。こうして分けられた9つのセグメントが、9segsである。

 M-Forceの代表取締役である長氏は、「同じロイヤル顧客でも積極ロイヤルと消極ロイヤルでは、明らかに顧客行動の背景にあるインサイトが異なるため、違うアクションが要求されます。マーケティング、経営のアクションを取る際に必要な、最小限の分け方が9segsです」と顧客を戦略的に分析することの重要性を伝えた。

M-Force株式会社 代表取締役 長 祐氏
M-Force株式会社 代表取締役 長 祐氏

顧客の理解がない施策に、再現性はない

 では、本題の「顧客戦略」へ入ろう。前述の通り、マーケティングとは「どのような顧客(WHO)に、どのような価値・体験(WHAT)を、どんな施策(HOW)で提供するか」だった。しかし長氏は、「多くの企業が、HOWを最も重視している」と指摘。西口氏も、マーケティングに悩む企業に共通する、次のような課題を挙げた。

 「経営層やマーケティングのトップも含めて、“どうしたら利益が伸びるか?”の方法論だけを求め、顧客を理解していません。商品は、具体的なベネフィットがあるから売れているのに、“誰が(WHO)”、“何に(WHAT)”価値を感じて買っているのか”がわからないのです。そのような状態で、施策(HOW)は語れません」(西口氏)

 流行しているマーケティング手法やツールを駆使したHOWで、ビジネスは伸びるかもしれない。しかし、WHOとWHATを理解せず、偶然で一時的な成功でしかないHOWには、再現性がない。結果、違うHOWを求め続け、非効率なマーケティング活動が行われていることを、西口氏は危惧する。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/21 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34547

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