部門間で齟齬を生まないために
ここまでのプロセスを軌道に乗せ、次に考えることは「見込み客をいつ顧客化する想定かを明確にする」ということ。コンテンツマーケティングでぶつかる壁の一つに、部門間の連携が難しいことがあります。営業部門から「マーケティング部門が獲得した見込み客が、まったく“熱くない”」と言われてしまうようなケースです。「1対N」の活動をコンテンツを軸に行うと、マーケティング部門が獲得する見込み客は“熱くない”のが自然なことではあるのですが……。
部門間で齟齬を生まないために、部門長同士でマーケティング部門が獲得する見込み客の情報量定義(氏名、会社情報、役職情報etc.)や、月間獲得/引き渡し件数を、定義することが大切です。一般的にはSLA(Service Level Agreement)と言われるもので、部門間や業者間での期待値の定義付けをするために用いられる枠組みです。
また、営業部門の月目標がショートしそうなときは、マーケティング部門も積極的に協力すべきです。展示会などで獲得した“熱くない”状態の見込み客の熱量を上げる、温度感が下がっている見込み顧客は、課題軸のコンテンツをうまく活用して再度“元気な”状態へ転換してあげるなど、様々なアプローチが考えられます。
ここまでの準備はとても大変ですが、筆者の経験上、取り組めば確実に成果が出ます。次回の記事では、「コンテンツ×テクノロジー」で事業成長を加速させる方法をお伝えします。
BtoBのコンテンツが持つパワフルさを実感
(前号の続き)SNSでバズりまくった記事の影響とコンテンツを活用したインバウンドマーケティングをさらに極めたい一心でBtoBマーケティング支援の会社に転職することになります。転職先の企業では、当時の代表取締役の高広伯彦さんが持つSNSでの影響力とコンテンツが混ざり合い、企業規模に対して凄まじい数の“熱い”見込み客を毎月獲得。私は自社のマーケティング業務と営業業務も兼任しており、商談にも出向いていましたが、商談の都度「なんでまたこんなに私のことまで知っているの?」というくらい相手の方達が私たちを調べており、とにかく商談も和やか。相手が既にやる気満々の状態で、コンテンツのパワフルさを日々実感していました。