※本記事は、2020年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』60号に掲載したものです。
マーコム、営業、CSと連携して利用を促進
日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 365 ビジネス本部 製品マーケティング部
エグゼクティブプロダクトマネージャー 春日井良隆(かすがい・よしたか)氏
岐阜大学教育学部哲学科を卒業後、大沢商会を経て、アドビシステムズに入社し、リリースされたばかりのAfterEffectsとPremiereを育てる。2007年にマイクロソフト株式会社(現日本マイクロソフト株式会社)に入社し、日本でのExpressionやSilverlightのビジネスを立ち上げる。2009年からUXやHTML5のエバンジェリストを務めた後、2015年よりWindows、2018年よりMicrosoft 365のマーケティング担当となって今に至る。
――まず、Teamsはどのような体制でマーケティングを行っているのか教えてください。
軸になるのは、私の所属する製品部のプロダクトマーケティングチームと、広告やSNSのように部署横断のマーケティングを担当するマーコムチームです。基本的な戦略は我々が考え、それに基づいたキャンペーンプランなどをマーコムと一緒に具体化していく形となっています。この取材のようにメディアが関係する施策では、広報とも連携します。
――BtoB向けサービスのため、営業やカスタマーサクセスとのやり取りも多いと思いますが、どのような連携を行っていますか。
営業に関しては、Microsoft 365やMicrosoft Azureなど各ソリューションに関する営業とクライアントに向き合う営業がタッグを組んで提案しています。
Teamsについては、Microsoft 365の関係者がお客様に対して提案していますが、ここで大切なのが、営業チームと連動して動くカスタマーサクセスチームです。売上げを目標とする営業に対して、カスタマーサクセスは利用していただくことを目標としているのが違いで、その名の通り、お客様に成功していただくためにTeamsの利活用を直接ご提案しています。
DAUが1年で5倍に
――この1年でオンライン会議は一気に定着したと思いますが、Teamsの利用者も大きく増加したのでしょうか。
我々がKPIとしている1日当たりのグローバルでのサービス利用者(以下、DAU)を見てみると、2019年11月時点で2,000万人だったのが、2020年10月時点で1億1,500万人まで増加しています。日本においても、2020年春の数字ですが、日経225企業の84%に利用いただいています。
もちろん、新型コロナウイルスによる外出自粛などの影響は大きいですが、コロナ以前から、大手企業を中心に働き方改革を推進されていたり、DXに取り組まれていたりしたことが、コロナ禍で加速したと考えています。
――DAUが1年で5倍まで増えた理由はなんでしょうか。
他のツールとの違いは、Microsoft 365のサービスの一つとして展開しているという点です。Word、Excel、PowerPointはビジネスパーソンの必須ツールといっても差し支えない程度に浸透していますし、Microsoft 365を導入しているお客様も多かったため、そのサービス内で利用できました。そのため、マーケティングに関してもMicrosoft 365ユーザーであればすぐにTeamsが使えることを認知いただくこと、オフになっているTeamsのスイッチをオンにしていただくこと、そして継続的にTeamsを利用いただけるようにすることを意識しました。
――それらのことを念頭に置き、どのような施策を実施していたのでしょうか。
具体的には、営業やカスタマーサクセス向けに資料を制作し、顧客に対し情報を届けてもらったり、お客様向けにメールやオウンドメディアを活用した情報発信を行ったりしてきました。ペイドメディアに関しても、ビジネスパーソン向けのメディアとタイアップした記事広告やオンライン広告、交通広告などを展開しましたし、広報と連携し各種メディア様への情報発信等も行ってきました。