多角的なサイト改善で、注文数は増加
――これまでのマーケティング活動から、どのような成果が出ていますか。
野田:販売開始より、順調に購入台数は増えています。紙のカタログは好評で、カタログを請求された方の10%が購入されています。
亀島:また、申し込みプロセスを改善したことで、販売数が大きく伸びました。ILOの設置には工事が必要で、費用はお客様の住環境によって異なります。そのため、ILO販売当初は、お見積もり依頼をいただき、オペレーターが担当、場合によっては現地へ伺い、最終的な金額をご案内していたのです。
しかし、オペレーションが複雑ですし、お見積もり提示後の離脱率も高く、なかなか注文に至りませんでした。このあたりの分析をD2C Rさんにもご協力いただき、課題を明確化しました。打ち手として、見積もりのステップをなくし、工事費込みの一律価格でカートインいただけるよう販売方法を変更するなどサイトの改善も行った結果、お申し込みが増えました。
――サイト全体の改善やお客様ニーズを考えた施策が、成果へつながっているんですね。
亀島:D2C Rさんからは、私たちがなかなか手の回らない、サイト内の動線やアンケートの分析、キャンペーン設計など、広告運用に留まらない全体的なマーケティングのご支援をいただいています。
野田:レポートもわかりやすいですし、コミュニケーション頻度も高いですね。週1回のオンラインミーティングだけでなく、すぐに情報共有ができる関係性がありますから、スピーディーに施策を打ち出していけます。こういった早さも、成果に繋がっていると思います。とても、良い取り組みができているのではないでしょうか。
メーカー直販の安心感、ブランドへの信頼感を大切に
――最後に、これからの展望をお聞かせください。
野田:世の中のEC化率が高まり、オンラインでコンロを買うことが特別ではなくなってきたと感じます。一方で、価格比較がされやすくなりますから、「ILOが欲しい」と指名されるようなブランディングを強化したいです。
亀島:メーカー直販で買われるお客様は、安心感を一番大切にされていると思います。ILOのコンセプトにあわせて、メーカー直販サイトならではの安心感をお伝えできたらと考えています。
また、リンナイ製品の交換部品やお手入れアイテムを扱うR.STYLEの会員数も、83万人になりました。より一層、お客様へリンナイの商品を便利にご活用いただくサポートや情報発信をしていきたいです。それが、ブランド価値へつながり、販売店様も含めたステークホルダーの皆様との関係構築にもなると考えています。
――D2C Rのお二人は、今後どのようなサポートを強化したいですか。
川村:データを活用したプロモーションですね。この1年間で蓄積されたデータを参考に、お客様の感情など定性面も踏まえ、コミュニケーションプランのアップデートを進めたいです。
椿本:ILOは、新しい価値を作る商品です。私たちは、リンナイさんが持つブランドを大切にしながら、よりお客様のインサイトを理解して、ILOの価値を発信していかなくてはなりません。中長期的には、リンナイさんのファンの方達へ向けた、コミュニケーションプランやファン化へのプロセスなども設計し、注力されているビルトインコンロ市場を大きくしていきたいと思います。