多面的な表現ができるから、ブランドが輝く
Facebook Japanが11月26日に開催したオンラインセミナー「House of Instagram」。同社の南 勲氏によるセッションでは、「好きと欲しいをつくるためのブランディング」をテーマに、Instagramの特性を活かしてブランドを輝かせる方法が明かされた。
南氏が最初に言及したのは、Instagramでブランディングを行う利点について。一般的なブランディング施策では好きになってもらうこと、ファンを増やすことを目的としたものが多い。これに対しInstagramでは「欲しい」という気持ちにつなげることができる点が、ブランドを輝かせる秘訣になっているという。
こうしたブランディングを可能にしているのが、ストーリーズやIGTVなどの多彩なビジュアルツールだ。Instagramは写真を中心としたソーシャルメディアとして普及したが、その後さまざまな機能を取り入れ、ブランドを多面的に表現できるプラットフォームへと進化を続けている。
たとえば、24時間で投稿が消えるストーリーズは、タイムリーでカジュアルなコミュニケーションを可能にしているし、モバイル向けの縦型長尺動画を共有できるIGTVは、より没入感のあるコンテンツの視聴に適している。さらに、ストーリーズ等で使えるARエフェクトは、簡単にモバイル上で疑似体験ができるエンゲージメント性の高いコンテンツが楽しめる。これらのビジュアルツールはそれぞれが明確な役割を持っており、併用することでより多面的なコミュニケーションが可能になるのが特徴だ。
「ミニブランドサイト」としての役割も
これらのツールを使って発信された内容は、アカウントの“顔”となるプロフィールにストックされていき、ブランドの全体像を伝えることに貢献する。それが今や「ミニブランドサイトのような役割を担っている」と南氏は言う。
「Instagramでの広告や投稿を通じて、偶発的にブランドに出会った多くの利用者は、まずプロフィールを訪れ、気になる情報を深掘りしていく傾向が見られます。Instagramではフィードやストーリーズを使ってタイムリーな情報を届けるフロー型のコミュニケーションと、ブランドストーリーをストックして、ブランドの世界観を表現するストック型コミュニケーションの両立が可能となっています」(南氏)
加えて、Instagram利用者は気に入ったブランドに出会ったときに「自分ゴト化」につながる行動を起こす傾向がある。そのアクションは、投稿や広告から商品詳細を見るといったInstagram内の行動から、店頭に出向いて確認しに行く、実際に商品を購入するといったものまで多岐に渡る。
調査によれば、以下の結果が得られている。
・過去1ヵ月間に投稿を保存した国内利用者の割合は25%
・ショッピングタグがついている投稿などから商品詳細を見た国内利用者の割合は、前年と比べて65%増
・ブランドサイト・ECサイト等で後日商品確認や購入をする割合は44%
また、ネスレ日本のネスカフェアンバサダーで実施されたMMM(マーケティング ミックス モデリング)の結果によると、FacebookとInstagramでの広告キャンペーンの費用対効果は、テレビCMの1.5倍、デジタルメディアの動画広告の3倍、ディスプレイ広告の6倍以上と実証されている(※参考記事)。Instagramでのブランディングが売上に貢献していることが伝わる結果だ。