「問い合わせフォーム営業」がコロナ禍で注目を集める理由
――はじめにアイランド・ブレインについて、現在どのような事業を展開されているのかご紹介ください。
当社は2004年の設立から、営業代行や営業コンサルティング事業を行ってきました。現在に至るまで、全国で累計2,300社以上の営業支援を行ってきました。BtoBの国内企業を中心に、問い合わせフォーム営業代行、テレアポ営業代行、DM営業、Webマーケティング支援など、お客さまに合った営業支援を提案しています。
――御社が提供されている「営業代行サービス(メール版)」について、具体的にどういったものでしょうか。
簡単に言えば、企業が自社サイト内に設置している“問い合わせフォーム”を利用した営業手法です。当社では「営業代行サービス(メール版)」として2020年6月にリリースしたのですが、企業のメールアドレスに直接メールを送るメール営業とは別のものになります。
問い合わせフォームを活用した営業代行の形は、ここ2~3年で認知されてきたと感じています。自社の問い合わせを受けようと設置したフォームから営業を受けることに対し、はじめは違和感を覚える方も多かったでしょうが、話を聞いてみたいと思わせる内容や、潜在的なニーズを引き出す内容をお送りすることで、営業手段の一つとして認められてきたようです。
現在は大手企業の利用も増えていて、BtoBの営業戦術としてはインターネット広告の出現以来の新たな手法として確立されつつあり、営業戦術を組む際にも標準的に組み込まれる ような流れが生まれています。手段としては2~3年前からあるものですが、昨今はコロナの影響によって、その価値が見直されるようになりました。
蒸発した「都心の営業先」に突破口
――具体的にどのように見直されたのでしょうか。
業種にもよりますが、テレワークが増えて会社に人がいない状況が増えたことで、電話営業できる市場が一定数蒸発してしまいました。特に東京都心の大手・中堅企業に対するアプローチは難しくなっており、電話がつながるまでかけ続けるのでは効率が悪くなってしまいます。対して問い合わせフォームにアプローチする方法であれば、会社にいなくても確認してもらえるため、この半年ほどで選択肢として選ばれる割合が増えています。
また、Zoomをはじめ商談ツールの発達によりリモート環境が整い、それによってエリアの概念が取り払われたことで、たとえばソフトウェア開発企業など、本来は場所を問わないサービスを提供する企業は「全国どこでもアプローチできる」という発想に変わりました。
これによりエリアを限定していた企業のターゲットが一気に広がり、全国的にアプローチできる営業手段として問い合わせフォーム営業を選択する人が増えたとも分析しています。