パーソナライゼーションの自動化は当たり前に
マーケティング分野におけるAI活用でニューノーマルになる可能性があるのがパーソナライゼーションの自動化だろう。

たとえば「Rasa.io」は、ニュースレター配信においてAIを活用し、見込み客/既存客の嗜好に沿ったコンテンツ配信の自動化を可能にするAIプラットフォームだ。自然言語処理とディープラーニングを使い、顧客ごとに「刺さるコンテンツ」を選び配信することができる。
現在、自然言語処理の精度を高め、配信コンテンツのサマリーを自動作成するAIを開発中だという。
文章作成は、AI分野の中でもホットな領域の1つ。2020年9月8日には、英ガーディアン紙がOpenAIの人工知能GPT-3が執筆した記事を公開し、多くの人を驚かせたところだ。近い将来、顧客の嗜好分析から、エンゲージメント率が高まるコンテンツの作成も自動化されていくことになるのかもしれない。
コピーライティングなど短い文章であれば自動作成できるAIはすでに存在している。
代表的なツールの1つが「Persado」だ。過去の広告キャンペーン、マーケティングフレーズ、顧客反応データと自然言語処理技術によって、新しいコピーライティングを作成してくれる。コピーとともに、配色の最適化や感情を揺さぶる効果的な仕掛けも提案してくれるという。

Fortune誌が伝えたところでは、Dell、American Express、J.P. Morgan Chaseなどすでに米大手企業の多くでPersado利用が進んでいるという。PersadoのWebサイトによると、大手企業250社以上が同社AIツールを導入、コンバージョン率は平均41%増で、それにともない累計15億ドルの収益が発生したとのことだ。
個別事例では、DellのPersado利用効果が公開されている。それによると、クリックスルーレートは平均50%増、コンバージョン率46%増、カート追加77%増という結果になったという。
Persadoには、Motiva AIやPhraseeなどの競合スタートアップが存在しており、競争によってAIアルゴリズムの精度は今後も高まっていくことが見込まれる。