リード管理〜「名寄せ」の仕組みを作る絶好のチャンス!
このようにMAやインサイドセールスを実施しようとすると大事になってくるのがデータです。特にリードのマネジメント力が重要になってきます。簡単に言うと接点管理の精度を上げることです。Webサイトやオンラインコンテンツへのアクセス履歴、インサイドセールスの接触履歴、過去の商談履歴といったものをいかに一元管理できているかを見直しましょう。
BtoBマーケティングの現場では、理論やテクニックが先行して空回りしているケースがたびたび見られます。その原因はリードへの向き合い方、リードのクオリティを担保し続ける仕組みの構築が十分ではないことにあるのではないでしょうか。実はこの仕組みを整備できていない企業は少なくありません。リードはマーケティングの土台なので、ここが弱いと施策は必ず弱くなります。「木」を例にするとわかりやすいですね。根がしっかりしていないと立派な木に育ちません。
整備を難しくしている理由はいくつかありますが、一番大きな要因はデータ量です。既に取引のある顧客管理データと、見込み顧客のリードを比べると、後者はおそらく何十倍~何百倍もの数があります。量の多さだけでなく、トラッキングの難しさも障壁です。Webサイトから入ってきたり、他の商談で名刺交換していたり、少し前なら展示会に来場してくれたり、セミナーに来てくれたり、他の人が接点を持っていたり、見込み顧客は様々な動きをします。

ただ現在はオフラインチャネルがほぼ閉鎖しており、オンラインでの接点が多くなっていますので、リードマネジメントの整備という点ではとてもやりやすい時期です。「名寄せ」の仕組みを構築するには絶好の機会とも言えるのではないでしょうか。今の状況を後ろ向きに捉えず、逆にメリットと考えて活かし切る。そんな姿勢が今マーケティングに求められていると思います。
よくあるマーケティングの神話
今回触れたMAのシナリオやポイントスコアリングもそうですが、マーケティングの手法やツールについて「これをやれば成功する」「今までにない成果が得られる」などと魔法の杖のように語られることがあります。これを私は神話と呼んでいます。カンファレンスで聞くような成功例は、尋常ではない数の施策を試してきた過程があって、成功したのです。その前提を飛ばしてトレースしようとしても、まず難しいんですよね。そのままやろうとしてもダメで、自社にどうやったら活かせるか考えることこそが大切。“転用力”はマーケターにとってかなり大事な能力だと思っています。