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B2Bマーケティングの成果を最大化する「ABMのベストプラクティス」を大公開

ABMの成功に不可欠な2つのポイント

 「ずばり、ABMで成果を上げるための要素は2つ、“ターゲティング”と“アライメント”です。この2つを愚直にやることが、ABMで成果を上げるために重要です。また、短期的でなく中長期的に取り組むことで成果が出てくる。これは当社が多くの企業のABM導入を支援した実績から言える結論です」(田口氏)

 では、なぜターゲティングとアライメントが重要で、それぞれどんなポイントがあるのか。この疑問についても、詳細に説明された。

1.ターゲティングが重要な理由

 そもそも、ターゲティングとセグメンテーションは似て非なるものであり、混同してはならない。一般的には、業界・企業規模・地域をもとにターゲット顧客企業が「セグメンテーション」されている。しかし、これだけでは企業の課題やニーズが特定できず、「ターゲティング」しているとは言えない。

 たとえば、下図のA社とB社。業界・規模・地域を見ると同じセグメントであるが、実際はまったく異なる属性であり、この2社が同じ課題やニーズをもっているとは考えられない。課題やニーズが共通する企業群を定義してこそ、意味のあるターゲティングだと言える。

 ABMはターゲット企業を定義するところから始まる。顧客企業がどのような状況にあり、何を求めているのか。ユーザーニーズを捉えたターゲティングをすることが、ABM成功の1つ目のカギである。

2.アライメントが重要な理由

 ターゲットリストという共通言語を見ながら、部署間で連携して動いていくというABMの手法では、それを推進する体制が非常に重要になってくる。冒頭にも出てきたアメリカのレポート(5 Key ABM Trends for B2B Marketers to Track Heading into 2020)には、「46%の回答者がセールスとマーケティングの連携がABMの最大の課題」とあり、「80%の回答者がターゲットリストの特定はセールスが主導している」とある。

 また、ABMの成功を測定する指標については、「新規アカウントの獲得数(60%)」「クオリファイされたアカウント数(52%)」「収益への貢献度(50%)」「受注率(50%)」「パイプライン・ベロシティ(46%)」「アカウントエンゲージメントスコア(41%)」が挙げられており、マーケティング部署だけで完結するものではないことがわかる。戦略部門、マーケティング部門、営業部門が連携しなければ、ABMは効果測定すらできなくなるということなのだ。

 なお、各チームでコミュニケーション量を増やし上手く連携していくために、田口氏は次の4つをクライアントに提案しているそうだ。

  1. ターゲットリストはマーケティング部門だけで作成するのではなく、戦略部門や営業部門と合意する
  2. チームをまたいだ定例会議をセットする
  3. 進捗確認・報告では、新規獲得できたリード/商談につながったリード/受注した案件のうちターゲットにしている企業が何%だったのかを入れる
  4. 四半期に一度ターゲットリストが正しいかを見直し、ターゲット企業を最適化させる

これがABMのベストプラクティスだ!

 続いてセッションは「ABMを成功させるターゲティングの実践事例」の解説に入った。FORCAS社が多くの企業にインタビューをし、ABMの導入に成功している企業に共通している特徴を抽象化したものが下図のABMサークルだ。

 「約2年前にこの仮説を立ててから、この通りにCS(カスタマーサクセス)が支援するようになり、すごく上手くいっています。今現在これがABMのベストプラクティスであると自信を持ってお伝えできます」(田口氏)

 ABMサークルには、ターゲットを可視化するプロセスと施策実行&効果測定するプロセスの2つのサークル、それを実践する6つのステップがある。2つのサークルをどちらも回していくことが肝だ。

 「この通りに実行するのは簡単ではありませんが、この通りに実行している企業が高い成果を出しているのは間違いない事実です」(田口氏)

次のページ
具体的なTipsでターゲット可視化を実践!

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/23 11:30 https://markezine.jp/article/detail/35754

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