※本記事は、2021年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』63号に掲載したものです。
以下6名の方からコメントをいただきました。
RTB House Japan 高橋君成氏/コニカミノルタジャパン 富家翔平氏/Facebook Japan 徳江朋美氏/freee 川西康之氏/ヤプリ 和田理美氏/LINE 山下拓也氏
圧倒的な量はあらゆる仕事の「質」に結び付く
「成長したつもり」に要注意
新人時代は、圧倒的な量です。私は今でも週に100時間は仕事やそのためのスキル獲得に費やしていますが、もっと働いていた時期もありました。時代錯誤と言われるかもしれませんが、将来達成したい何かがあって、そこに到達するために努力が必要だとわかっているならば、そうすべきです。するとだいたい朝5時頃から活動することになりますが、10時に勤務を開始する同僚と比べると、すでに5時間もの差がついています。その差は、提案の質や、調査の質、あらゆる仕事の質において必ず現れます。
今の20代はTwitterや複業などを通じて多くの情報を取得することができる恵まれた世代ですが、一方で情報を得たことで成長したと錯覚してしまう人たちもいます。「知識や情報がどれだけ自分の体に染みついているか」が30代、40代になって成果を出し続けるために重要なことではないでしょうか。
目標達成と顧客への貢献、両方が大切
まずは「正しいことをしたい」と思って仕事をしています。人間関係においてはとにかく正直に、誠実に、と意識しています。たとえばアドテク業界では、どんなに気をつけていても配信事故が起きてしまうことがあります。その原因が別の会社や社内の別の人間であったとしても、顧客の目の前に立っているのは誰なのか。自分が代表して謝罪する立場にあるならば、言い訳を考えることよりも事故を止めること、再発防止策を考えることを最優先に考えるべきで、そういう仕事に対する向き合い方は必ず相手に伝わります。
また大事にしている言葉で、松下幸之助さんの「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」というものがあります。本当に顧客のためになるものは何か、顧客のためになる提案とは何か、というのを自問自答しながらビジネスをしています。もちろん目標を達成するために売らないといけないときがあります。それは社会人としてはMustの部分ですが、目標を達成しながら顧客が本当に必要としているものを提案できるビジネスパーソンが本質的だと思っています。
RTB House Japan Head of Sales 高橋君成氏
大学卒業後、リクルート、Criteoなどを経て2018年2月よりRTB House Japanの日本法人第一号社員として入社。現在約500のクライアントを獲得し、売り上げも数十億円規模まで成長。
視野の広さと推進力を磨き続ける
「書く・話す・やる」のサイクルを回す
マーケターの1年目からずっと意識し続けていることは、「書く・話す・やる」のサイクルを自身に対して高いレベルを求めながら回し続けることです。マーケターの仕事は「マーケティングプランを策定し、実行責任を負う」ことだと思っています。「書く」とは、プランの中で抱える課題と目標数値を明確にし、それを実現するための戦略と戦術を宣言することです。はじめて書いたマーケティングプランは拙いものでしたが、まずはとにかく言語化して宣言することを続けていました。
次に「話す」です。BtoBマーケティングでは、マーケティング部の独りよがりにならず営業と協力して進めていくことが必要、かつ難しいことだとわかっていましたので、進んでこちらから現場にプランを伝え、フィードバックをもらうことを意識していました。
最後は自分で「やる」です。MAツールやコンテンツ作成、広告などの施策実行において、誰かに依頼して終わりではなく、自分の頭と手を動かして体験してみることで、自分の中に経験値とスキルを身に付けていくことを意識しています。
自分の役割を決めすぎない
BtoBマーケティングで成果を上げるためには、周囲を巻き込みながら進めることが重要なので、現在は「自分の役割を決めつけずに様々な経験を積むこと」を軸にしています。具体的には、周囲からの依頼にはできる限りYESで返すようにしています。その結果、現在マーケターだけでなく、セールスとコンサルタントの3つの役割を任せていただいています。
関わる範囲が広がってくることで「やったことがない」仕事に出会う機会も増えてきています。ときに仕事の大変さや不安を感じる場面もありますが、自分の「感情」と困難な「事象」を区別することで困難な場面でも前向きに捉えることができています。また、社外セミナーにも登壇することで、自社以外のマーケティングの在り方も吸収するように努めています。
マーケティングやマーケターの在り方はますます変わっていくと思いますが、様々な経験から身に付けた「視野の広さ」とブルドーザーのような「実行力を伴う推進力」がビジネスの現場に求められる普遍的なスキルの一つだと信じ、磨いていきたいです。
コニカミノルタジャパン マーケティングサービス事業統括部 富家翔平氏
コニカミノルタジャパンの「営業プロセス改革×BtoBマーケティング推進プロジェクト」を、現場の最前線でけん引。マーケター・セールス・コンサルタントの役割を担い、対外的な情報発信にも力を入れている。