プラットフォームごとの役割とコンセプトを明確に
平地:川崎ブレイブサンダースではInstagramやTwitter、YouTube、オンラインサロンと様々なところで情報発信を行っていますが、どのようにして各プラットフォームごとに出すべき情報を振り分けているのかが気になりました。クラブによっては各チャネル用に十分なコンテンツが用意できない、またどのチャネルに何のコンテンツを出すべきか定まっていないことが課題になっているケースも多いかと思います。
藤掛:我々は各プラットフォームでコンセプトと役割を明確に決めています。オンラインサロンでは一番コアで濃い情報を届け、InstagramやTwitterはファンの方向けの情報を届ける。そして、YouTubeやTikTokなどでブレイブサンダースと接点のない新規層にアプローチしていく。このようにターゲットを決めた上で、持っている素材を振り分けていくようにしています。
また、コンテンツを用意するところに関しては、広報やカメラマンに加え、チームの通訳やマネージャーなどのスタッフに面白そうな場面を見つけたらスマホなどで撮影してもらうようにお願いしています。そのようにして、コンテンツが日々集まる仕組みを作り上げています。
平地:チームスタッフが全員でコンテンツになりそうな素材集めを行っているわけですね。
藤掛:チームからするとなんでもないものや当たり前なものでも、ファンの方からするとすごく新鮮だったりするので、様々なシーンを撮影してもらっています。
コンテンツの幅を広げ、新規獲得を狙う
平地:コロナ禍におけるスポーツチームの新しいマネタイズの手法としてオンラインサロンは確立できそうでしょうか。
藤掛:可能性は感じています。非常に継続率が高く、提供しているコンテンツに対する満足度は高いと評価しています。ただ、今後会員数を拡大していく上では、何かしらのブレイクスルーが必要なので、そこは今後の課題になると思っています。
平地:その課題に対し、今後構想していることはありますか。
藤掛:コンテンツの幅を広げていくことを現在検討しています。選手のプライベートな部分を見せていくコンテンツが中心でしたが、もっと競技寄りのコンテンツも出していけたらと考えています。たとえば、ある試合のプレイに対して選手が解説をするなど、競技に関わるコンテンツを用意することで、そういったものに興味がある方を新たに引き込みたいです。
平地:現役の選手がプレイについて解説するのは、今までにないコンテンツで面白いですね。オンラインサロンではやはりここにしかないコンテンツがある、ということが価値になると思うので、そういったコンテンツをいかに作っていけるか、ということが大切だと感じました。
また、双方向でのコミュニケーションはやはりキラーコンテンツになるんだな、ということもわかりました。他スポーツチームでも特有のコンテンツを作りつつ、王道も押さえていけるとオンラインサロンの利用者も増えていくのでは、と感じました。ありがとうございました。