顧客体験の向上とともに内部の効率化を推進
――支援内容について、具体的な事例を教えていただけますか。
吉岡:たとえばアパレル業界は今、直販に注力しています。ただ、既存のコマースプラットフォームで提供できるのは「購入体験」であり、「購買の楽しさ」ではないのが実情です。
そこで、コマース基盤だけではなく、その上にCMS を活用して自由度の高い表現を施し、顧客体験を向上するといった取り組みを行っています。エンドユーザーが欲しいものを具体的に見たり感じたりできる仕組みを作りました。
越久村:金融業界の事例では、スマホ完結型になった顧客の行動様式における変化への対応と、銀行内の体制効率化および最適配置が課題になっていました。
そこで、スマホ、Web、支店の窓口、コールセンターなど多様化する顧客接点において、それぞれで伝える内容を統一し、顧客行動データも整理。顧客個人に適切な提案ができる設計をしてクラウドに統合、顧客体験を最適化しました。
さらに内部では、顧客資産の多寡も含めてセグメントを作り、ターゲティング精度を向上。また、顧客の抱える課題に沿ってオンオフの各チャネルを再定義できたことで、各顧客へのコミュニケーションを最適化でき、人員と施策の効率化につながりました。
中村:メーカーの事例では、販売店や代理店経由のビジネスモデルが多く、自社に顧客情報がないことが課題になっていました。
解決策として直販に舵を切る方法もありますが、ビジネスモデルを変えない方法として代理店にメリットがある仕組みをメーカーが作ることも有効です。例えば、情報発信を通じてファンを作る顧客プラットフォームをメーカーが用意して、そこでコミュニティを作ります。そして購買自体は代理店に誘導します。成功のカギは、どのようなコンテンツを作るか。
DDXGでは企画段階からクライアントのチームに参加し、より実現性のある形を模索することで、クライアントがコンテンツやサービスに注力できるような支援が可能です。
――なるほど。クライアントによっては、既存のシステムとの連携や簡便性を理由に、求めるクラウドソリューションが異なるかと思いますが、DDXGではどのようなソリューションをお取り扱いでしょうか。
越久村:大枠でいえば、CRM、MA、オウンドCMS、 データ管理系のCDPや、顧客データを取得・分析するためのBIツール、Webアナリティクス、また最近ではECプラットフォームのソリューションも扱っており、顧客体験のDXに求められる領域は全般的にカバーできているかと思います。また、単一領域に特化して強い製品もありますので、クライアントの状況によって、これらを組み合わせ提案しています。
ナレッジを共有し、より一層の体制強化・サービス拡充へ
――最後に、 DDXG における今後の展望を教えてください。
吉岡:DDXGの3社は各社があらゆるソリューションやプラットフォームに対応していますし、そのどれも経験値が高いです。
アイソバーは、電通デジタルと合併し、同じ運営になることでより一層明るい未来が広がっていると感じています。単純なリソースのシェアだけでなく、ナレッジも共有して自分たちのサービス領域をどんどん拡大できることが、今後の体制強化につながっていくと思っています。
また、体制面に加えて、新しいサービスをより多く作っていけることにも期待しています。電通グループとしても、DX領域やその採用活動にもきちんと布石を打ち、良い人材を確保していきたいですね。
中村:ナレッジのシェアが非常に有効な世界なので、自分たちからも積極的にナレッジを提供し、また他2社の知見をうまく吸収して、3社合同で独自のメソドロジーやサービスを開発していきたいですね。
越久村:DDXGとしてひとつのブランド、“館”を作れたので、そこに魂を入れていきたいです。ソリューション提供やオファリングをして、様々な領域でDDXGならではの価値をきちんと提供していきます。
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