食べチョクの本質的な価値が評価された2020年
2017年にサービスインした食べチョクは、生産者と生活者をつなぐプラットフォームを構築し、自社で在庫や流通手段を持たないビジネスモデルだ。一般では手に入りづらい食材やこだわりを込めた商品を、生産者自らが値付けする「オンライン直売所」である。
生産者にとっては、従来の流通ルート以外の選択肢が増え、顧客の声が直接聞ける他、粗利の高さや自社EC運営時の課題になりやすい集客や宣伝、カスタマーサポートを、食べチョクが支援するメリットがある。対して生活者は、新鮮な食材をオンラインで簡単に買えるだけでなく、生産者とつながることで、仕事への思い、食材にまつわるストーリーを知り、コミュニティ機能を使って「おいしかった」とメッセージを届けられる。毎日の「食」を、より価値あるものとして体験できるのだ。
野菜の販売からスタートし、肉、魚、花など、取扱品目を拡大し続けてきた食べチョクは、流通額は直近1年で42倍、登録ユーザー数は43倍、登録生産者数は5倍と、2020年に大きく成長。サービスへの流入数も、月100万人を超える規模となった。これらの状況を、マーケティングを統括する松浦氏は、「コロナ禍による応援消費の影響はあったが、それはきっかけの1つ。食べチョクに魅力的な食材があること、おいしいと感じた体験が、継続利用につながっている」と分析。サービスの本質的な価値が支持されたことで大きく成長できたのだ。