トライブリーダーによる発信を好む
Z世代の性格を押さえるうえで、もう一つ重要なファクターがあります。それは、彼らがトライブリーダーの発信する<1→n型>の情報を好んでいるということです。トライブリーダーとは特定の興味・関心領域や趣味・嗜好領域において熱狂的な支持を得る先駆者的存在であり、<1→n型>の情報とは、不特定多数の人物に向けて発信された情報を指します。Z世代は消費行動の検討フローにおいて、メディアからの情報を重視しつつも、同年代に人気だったり、自分の趣味領域に精通していたりするトライブリーダーの発信している情報を大いに参考にしており、この傾向はミレニアル世代よりも色濃いものとなっています。
では、なぜZ世代はトライブリーダーの発信する情報を参考にし、支持するのでしょうか。その理由は「提供してくれる情報の信頼感」やその情報を受け取る際の「コミュニケーション性」にあると考えます。Z世代に人気のあるトライブリーダーは、自らもZ世代であったり、それに近い年代に属していたりすることが多いです。さらに、彼らが発する情報は、企業プロモーションでない限り、原則「自分の意見」から成っており、発信時の言葉の選び方や表情といった細部までもがインフルエンサー本人のモノです。本人のリアルな情報だからこそZ世代が常識として受け取ることができ、信頼感につながっていると考えられます。
さらに、トライブリーダーが情報発信の場に利用するプラットフォームの特性も、Z世代への身近さに貢献しています。トライブリーダーは、視聴者から意見を直接受け取ることができるプラットフォームを選ぶことが多く、受け取った意見に対してタイムリーに反応を戻すことで受け手とのインタラクティブなやり取りを実現します。たとえば、「コメント欄」や「リプ欄」などでファンや視聴者から受け取ったコメントに直接返信したり、コメントを参考にした投稿や企画を数日程度の短いスパンで打ち返したりしており、受け手はほぼリアルタイムのスピードでやり取りをしている感覚を味わえます。これはコミュニケーション重視のZ世代にとって非常に魅力的な特徴と言えます。
トライブリーダーの情報発信の場には、こうしたSNSの他にラ反応を戻すことで受け手とのインタラクティブなやり取りを実現します。たとえば、「コメント欄」や「リプ欄」などでファンや視聴者から受け取ったコメントに直接返信したり、コメントを参考にした投稿や企画を数日程度の短いスパンで打ち返したりしており、受け手はほぼリアルタイムのスピードでやり取りをしている感覚を味わえます。これはコミュニケーション重視のZ世代にとって非常に魅力的な特徴と言えます。
トライブリーダーの情報発信の場には、こうしたSNSの他にライブ配信があります。

ライブ配信は、特定の発信者が不特定多数に対してリアルタイムに映像や音声を届けられるメディアです。視聴者はコメントや応援アイテムなどを届けることができますが、インフルエンサーがそれに対してリアルタイムで反応を打ち返すことで、更なる距離の近さ、相互コミュニケーション性を提供しています。
この特性について、コロナ禍はどのように影響しているのでしょうか。ライブ配信の利用率に注目すると、Z世代では6.3pt上昇し、31.7%に達しました。代表的なSNSと比べるとまだまだ成長途中ですが、この数字はミレニアル世代、大人世代と比べると顕著な利用率になっています。
このようなリアルな質感を持つトライブリーダーの<1→n>の発信は、基本はターゲット層のみに深く届くものですが、次の章で述べるZ世代の「好きなものを応援したい」「好きなものをシェアしたい」という特性から、時に爆発的な拡散力を持ちます。