急成長を見せるハイパーカジュアルゲームとは?
――現在、Pangleがゲーム業界、特にハイパーカジュアルゲームのビジネス成長に大きく貢献していると聞いています。まず、ハイパーカジュアルゲームが何か、そしてどのような成長を見せているのか教えてください。
ハイパーカジュアルゲームとは、国籍を問わず誰でも気軽に遊ぶことのできるアプリです。「ユニバーサルデザインであること」と「広告による集客・マネタイズが主軸」が大きな特徴です。
Pangleは、日本では8,000万DAUにリーチできるモバイル広告プラットフォームです。また、TikTok For Businessが持つデマンドにより、デベロッパー/パブリッシャーの収益化向上、新規顧客獲得をサポートします。
アドネットワークというマーケットの中で、Pangleは日本で提供を開始したのは2019年7月と後発でした。しかし、世界で大きく成長を遂げているハイパーカジュアルゲームが日本に普及するとともに、Pangleの活用も広がりました。現在日本で提携しているクライアント数は、2021年Q1(1月~3月)は2020年同期比で2.7倍増加しており、非常に重要なマーケットです。その成長の支柱を担っているのが、ハイパーカジュアルゲームなのです。
また、AppsFlyerのレポートによると、ハイパーカジュアルゲームは非常に成長率の高い市場で、本格的なハードコアやソーシャルカジノゲームと比較しても2倍以上の成長率を示しています。おうち時間が増える昨今、手軽に楽しめるハイパーカジュアルゲームを始める方も増えました。レポートの中では、ハイパーカジュアルゲームのアプリディベロッパーが2020年にユーザー獲得施策を強化したとの記載もあります。
ハイパーカジュアルゲームが成長できた3つの理由
――おうち時間が増えたことなどの外的要因もあるとはいえ、なぜここまでハイパーカジュアルゲームが成長できているのでしょうか。
「ユーザー」「ゲームディベロッパー」「アドネットワーク」の3つの視点から見ると、まだ広げることのできなかった領域にハイパーカジュアルゲームというコンテンツがぴったりはまったことが、成長の大きな要因になっていると思います。
可処分時間の増加とゲームの手軽さがユーザーにウケた
デジタルの進化によって人々の可処分時間は増加傾向にあり、その中でハイパーカジュアルゲームは、通勤時間中や仕事や勉強の合間などのすき間時間を利用してプレイするユーザーが多いです。
ゲーム内容もわかりやすく、操作も簡単で、誰でも楽しむことができるため、短時間で楽しむことができるコンテンツとして、今までゲームになじみのない人でも気軽に入り込めました。
制作・収益化・ローカライズの容易さが進出を活性化
次に「ゲームディベロッパー」の視点で考えると、制作と収益化、そしてローカライズの難易度の低さが人気の理由です。ハイパーカジュアルゲームの制作期間はものによっては1週間程度、制作コストもそこまでかかることもなく、少人数でも制作ができるため参入障壁は低いです。
また、広告での収益がメインとなるため、収益化させるのが比較的容易となっています。さらに、ユニバーサルデザインであることも多く、各国で本格的なローカライズを行わずとも、世界のユーザーに対してリーチすることができるため、ユーザーの獲得もコアゲームに比べると難易度が下がります。
動画広告フォーマットの登場で収益も大幅に増加
アドネットワークの視点だと、アプリ向けに「動画リワード広告」や「動画インターステイシャル広告」が誕生したことを起点に、大きな成長を遂げました。ゲームに出てくる「アイテム」などの報酬を付与する「動画リワード広告」はゲームアプリとの相性が良く、ゲームのユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、任意で動画広告の視聴を選択できます。
「インターステイシャル動画広告」はゲームとゲームの合間に出てくるスキップが可能な全画面動画広告です。従来の静止画に比べてパフォーマンスが高い分、アプリディベロッパーへの収益となるCPMは飛躍的に跳ね上がり、広告収益が大幅に増加しました。
そして、アプリ内広告(IAA)のゲームが増えると、広告配信時に他のIAAのゲームにも配信することができるようになります。これにより、アドネットワークでユーザーを確保しつつ、アドネットワークで収益を上げるビジネスモデルが確立されました。
以上のことから、ハイパーカジュアルゲームは大きく伸びたのではないかと考えております。
Pangleを効果的に活用し、ユーザーを獲得する方法とは?
――では、ハイパーカジュアルゲームなどを提供するゲーム系広告主が、Pangleを活用してユーザーを獲得する際に気を付けるべきことはありますか。
最も重要なのは、CPIを5円~10円レベルの単位で削り続けることです。ハイパーカジュアルゲームのビジネスモデルの場合、1ユーザー当たりのプレイ時間は少なくても、継続率が数週間でも問題ないため、積極的な広告出稿でユーザーを継続的にゲームに呼び込んでいく必要があります。
ハードなゲームに比べると、どんなクリエイティブでも1ユーザーの獲得コストは低いのですが、その分LTVも高くはなりません。そのため、収益を大きくするにはCPIをひたすら下げていくことが重要になってきます。
――CPIを下げるためには、どのような工夫が必要になるのでしょうか。
多くのディベロッパーは広告のクリエイティブを頻繁に変更し、より低いCPIで獲得できるクリエイティブを模索しております。中でもPangleでは、ハイパーカジュアルゲームの領域において、プレイアブル広告によるCPIの改善に成功しました。
プレイアブル広告は広告の中で実際にゲームを一時体験することのできるリッチな広告フォーマットです。CPIを改善するだけでなく、ユーザーは実際にプレイをした上でダウンロードするため、流入ユーザーの質も高く、継続率の向上にもつながった実績のあるクリエイティブとなっております。
プレイアブル広告は、作成の手間や工数がかかるというボトルネックがこれまであったのですが、Pangleでは簡単かつ効率的にプレイアブル広告素材を作ることのできるツールを開発しました。
たとえば、 弊社で研究された様々な効果の良い広告素材のテンプレートを元にコード実装の手間なくクリエイティブを作ることのできる「インタラクティブテンプレート」や、すでに他の媒体社様で利用されているプレイアブル広告をPangle用に自動変換できる 「アダプションツール」機能などが代表的です。
これにより、プレイアブル広告を気軽にご活用いただけるような機能を充実させました。
ストレスのない広告体験の設計が収益化のカギ
――プレイアブル広告の活用がユーザー獲得には欠かせないフォーマットになっているんですね。では、広告の収益化を最大化するためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
ハイパーカジュアルゲームは課金での収益金がほとんどありません。そのため、広告収益を上げなければ、マーケティングに活用するための収益金を得ることができなくなります。そのためカジュアルゲームでは広告出稿と同じくらい、広告でのマネタイズ戦略を考える必要があります。
Pangleでは「動画リワード広告」「インターステイシャル動画広告」、静止画やバナーのような「ネイティブ広告」と大きく3つのフォーマットを用意しております。ただし、広告を入れるだけで簡単に収益につながるわけではありません。特にハイパーカジュアルゲームは、ユーザーのライフサイクルが短いため、短期間でいかにストレスなく多くのユーザーに広告を視聴してもらうかが重要になります。
広告を考えなく多く入れてしまっては、ユーザーのストレスになるためユーザーの離脱率を上げる要因となってしまいますし、広告をゲームの中のセッションが少ない場所に設置したり、広告の配信数を少なくしたりすると、継続率は上がっても収益にはつながりません。
そのため広告の設置箇所や配信頻度のテストを繰り返し、適正なものにしていく必要があります。
各広告別・収益化の秘訣が明らかに
――動画リワード広告、インターステイシャル動画広告、ネイティブ広告のそれぞれで収益化のコツがあれば教えてください。
動画リワード広告であれば、以下の3つが重要になります。
(2)動画を見ることで何がもらえるのか事前に伝える
(3)ユーザーに動画を見なくてもゲームプレイに支障がない設計を心掛ける
お客様から「動画広告を入れたのに、あまり収益につながらなかった」という声をたまにいただくのですが、ユーザーの気が付かない位置に広告がある、動画を視聴することによる報酬がわからない、動画を見ないと先に進めないような設計をしているケースが大半です。まず、自社のゲームの動画リワード広告がこのような設計になっていないか、ぜひチェックしてください。
最近上手くいっているゲームでは、動画広告を見ることで、元々もらえる報酬が3倍になる、一度もらったアイテムを総入れ替えするために動画広告を使うなど、視聴してもらうための工夫が施されています。
インターステイシャル広告の場合、全画面表示のため広告の頻度を多くしすぎるとユーザーのストレスになり、著しく離脱率が上がります。そのためPangleではインターステイシャル広告の配信間隔は3分以上開けることを推奨しております。
ゲームによるのですが、ステージ数であれば3~4ステージ以上で1回くらいの頻度だと離脱率も大きく変動しない傾向にあります。最近ではある程度継続してくれているユーザーやステージ数を超えたユーザーに対しては、広告の配信頻度を減らし、より長くプレイしてもらうような設計をしているゲームディベロッパー様もいらっしゃいます。
また、リワード広告とインターステイシャル動画広告を両方運用する場合、割合は1:2~1:3前後がおすすめです。
ネイティブ広告に関しては、アプリの最下部に張り付けている320×50や、ゲームとゲームの間に表示される四角いタイプの300×250の広告を導入されているゲームディベロッパー様も増えてきております。動画に比べるとCPMは低くなりますがセッションの回数が多いため、収益の上乗せを目的に利用いただいています。
ゲームロードや対戦相手を待っている間などの短時間の間でユーザーにストレスを与えることなく広告を表示できるため、LTVを上げていくための施策としておススメのフォーマットの1つとなっております。
またさらに収益性を高めるためには、自分のアプリの入札額を上げていく必要があります。PangleではWater Fall式の入札とHedder Bidding式での入札が可能となります。Mediationのironsource、max、mopubでは、in-app biddingといったアプリ内入札形式も可能です。
多くのゲームディベロッパーは複数のネットワークを駆使しマネタイズを行っており、その運用方法はディベロッパー様によって多岐にわたります。Pangleでは経験豊富な選任の運用担当がおり、よりディベロッパー様の収益金額を上げていくようなサポート体制も整っておりますので、ぜひお問い合わせいただけますと幸いです。
収益が1.5倍になったGlobal Gear
――実際にPangleの活用で上手くいっているゲームディベロッパーの事例を教えてください。
たとえば、ゲーム開発企業のGlobal Gear様はPangleの活用に成功している企業の1つです。同社では、広告の表示箇所を念頭に置いてゲームデザインを行っており、ユーザーエクスペリエンスを維持しながら、広告を表示できる機会を増やして収益を最大化しています。具体的には、リワード広告を70%、フルスクリーンビデオ広告を15%、バナー広告を15%の比率で表示していると言います。
その結果、eCPMと収益は以前の1.5倍になり、Global Gearの担当者様から「Pangleが収益を最大限に高めた要因である」との声もいただいています(事例の詳細はこちら)。
今後アプリの広告収益は大きな柱に
――最後に今後の展望を教えてください。
ゲームやマンガ、動画アプリなど、様々なアプリの中で動画広告に触れる機会が増えたことにより、ユーザーからの広告に対する理解も、数年前に比べて寛容的になってきたと考えています。そういったユーザーが増えることが、広告で収益を上げるコンテンツの成長となります。
ゲームの領域ではユーザー獲得のための配信手法や、コンテンツの中の広告の入れ方がどんどん進化しており、最近では広告収益がメインのハイパーカジュアルのようなデザインでも、課金での収益も見込める、クオリティーの高い「ハイブリッド型」のアプリも続々出てきています。さらに、今まで広告とは一線を置いていた、大手のゲーム会社も続々と広告でのマネタイズを検討し始めております。
たとえば、広告の収益化にPangleを活用するカジュアルゲームのCombat of Heroは、75%のアプリ内広告と25%のアプリ内購入のハイブリッド型で収益化を実現しています。ゲームに8つのリワード動画広告枠を設置し、ユーザー1人当たり1日平均8~10回の広告表示をしています。
広告表示によるデメリットも少なく、1日目の保持率は55%、7日目の保持率は19%と高く、LTVは30%増加しています。このように、2021年は広告を実装し、収益化を狙う企業が増えると予想しています。
Pangleではゲームディベロッパー様が開発されたアプリとそれをプレイするユーザーを守っていくために、より安全で信頼される広告プラットフォームを目指します。そして、より多くのゲームディベロッパー様に使っていただけるように、プロダクトの改善、アップデートをこれからも行い、ゲーム市場のさらなる発展の一役を担っていけるよう精進してまいりますので、読者の皆様もぜひPangleを活用したユーザー獲得、収益化をご検討ください!
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