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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2021 Spring

パナソニック山口氏×シンフォニー庭山氏と考える、BtoB企業の成長に欠かせないマーケターの育て方

BtoBマーケティング人材に欠かせないこと

道上:では、次のテーマにいきます。BtoBマーケティングを推進するにあたり、マーケティング部門のメンバーには何が求められるのでしょうか。

山口:私が常にチームメンバーに話しているのは、「マーケティングのプロであれ」ということです。価値を提供するためには、その分野のプロでなければいけません。

 マーケティングは、メッセージを考え、リードジェネレーションの設計図を作り、営業と連携して施策を実行する、そしてPDCAサイクルを回していかなければいけません。

 だから、マーケティングの各プロセスでプロフェッショナルを配置する必要があります。各プロセスを担当する人材の専門スキルを尖らせていくのが重要ですね。

庭山:同感です。マーケターは職人のようになっていくべきだと思います。たとえばデータマネジメントの職人なら、5万件のぐちゃぐちゃなリードデータを差し出されても、それを3ヵ月できれいにして、5ヵ月で的確なアプローチをできる状態に持っていける人材であるべきです。

育成のカギは部門内ローテーション

道上:そのような人材を育成するにはどうすればいいのでしょうか。

庭山:様々な方法があると思いますが、少なくとも3~4年は同じ職種を担当してもらう必要があると思います。しかしそれを阻むのが、多くの日本企業で習慣化している人事ローテーションです。2~3年では、マーケティングのプロは生まれません。マーケティングに関する様々な業務を長期で経験することが求められます。

 そのため、人事ローテーションで他部署への異動を繰り返す体制で社内にマーケティングを根付かせるのは、かなり難しいと思っています。

道上:ちなみに、パナソニックの場合はどうでしょうか?

山口:もちろん、人事ローテーションはありますが、マーケティング部門の中で入れ替えるようにしています。マーケティングにも様々な機能があるので、全体像を理解してもらうためです。

道上:マーケティングに関する様々な業務を経験して、ジェネラリストを育成していく体制ということですね。マーケティングの中でも特定範囲のスペシャリストを目指す・育てるという方法もあると思いますが、いかがでしょうか。

庭山:世の中では、圧倒的に需要があるのはジェネラリストです。なぜなら、マーケティングの全体設計ができる人が足りていないからです。個人的な観測ですが、全体設計が描ける人は今後20年食いっぱぐれないでしょう。

 全体設計というのは、たとえば自社の営業部門の売り上げ見込みを算出し、目標に対して60億円不足しているとします。ではその60億円を補完するために、マーケティングで何をすべきか考えることです。成約率から逆算して、年間で600億円分のリードを作れば達成できると考え、戦略に落としていく。このようなことができる人材は少ないです。

 そのような人材を育成する上で、山口さんが行っている部門内ローテーションは非常に有効だと思います。さらに言えば、営業現場を知っているとなお良いので、営業も経験してみると非常に良いです。

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BtoBマーケターとして覚醒するために必要なこと

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36266

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