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“データ×クリエイティブ”はマーケの標準装備になる。「D-Planner」が推進する広告現場のDX

明るい・楽しい・おいしい……受け手の印象や行動を詳細に予測

MZ:さまざまな単語レベルというと、具体的にどのような評価が出てくるのでしょうか?

大山:「明るい」「楽しい」「おいしい」や「都会的」「田舎っぽい」といった一般的な単語や形容詞だけでなく、名詞や動詞も評価として用いられます。D-Plannerでは、この知覚予測の機能を含めた9つの機能を提供しています。

  1. 好感度予測:CM総合研究所の調査データをもとに、コンテンツが視聴者にどれだけ好かれるかを予測
  2. 知覚予測:コンテンツ視聴時に視聴者が知覚する内容を名詞・動詞・形容詞の3種類の指標でスコア化
  3. GAP予測:任意のキーワードを設定し、それが視聴者にどのくらい伝わるかを予測
  4. 印象度予測:コンテンツが視聴者に与える印象を30項目の印象評価指標によってスコア化
  5. 広告効果予測:クリック率などコンテンツをウェブ広告として出稿した際の広告効果を予測
  6. 記憶定着度予測:コンテンツのどの部分がどのくらい視聴者の記憶に残りやすいかを予測
  7. アテンション予測:コンテンツのどこに視聴者の注意が集中するかをヒートマップ形式で予測
  8. 行動意向予測:CM総合研究所の調査データをもとに、コンテンツの「試用」「愛用」「購買」への影響を予測
  9. 好み/嗜好予測:コンテンツに対する好み嗜好(好き・嫌い)を評価

MZ:広告クリエイティブ評価において、特に役立つ機能は何でしょうか?

大山:まず、GAP分析の機能は特徴的です。これはCMなどの動画を視聴して何が知覚されたかについて、1秒ごとの推移を把握できる機能です。たとえば、「楽しい」「おいしい」などの単語を入れると、脳がどれくらいその言葉を知覚したかが数値化されて出てきます。

 実際に、JA共済様の30秒のCMを分析にかけてみましょう。このCMでは、一時金がもらえるというメリットを訴求しているので、「嬉しい」という単語を入力し、GAP分析をかけてみます。

 すると、全般的に「嬉しい」という印象が強く、特に27秒付近でスコアが最高値になっていることがわかりました。ただ、18秒から25秒にかけては若干スコアが下がっていますよね。これは商品説明の部分で、どの業界のCMでも商品説明のシーンはスコアが若干下がる傾向があります。このCMは最後に「嬉しい」という印象をしっかり高められているので、一時金がもらえる=嬉しいというメッセージを消費者に伝えられているといえます。

クリックして拡大
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 また、CM総合研究所と共同で予測モデルの構築を行った「好感度予測」「行動意向予測」という機能があります。CM評価においては好感度が評価指標としてよく用いられますが、その好感度の推移を1秒ごとに計測する機能です。最も好感度の高いシーンを把握できるので、今後のクリエイティブ制作の参考としても使えると思います。

AIDMAに沿った活用で、マーケとクリエイティブをより深く

MZ:企業のマーケターは、D-Plannerをどのように活用していけばよいでしょうか?

大山:D-Plannerは、AIDMA(Attention・Interest・Desire・Memory・Action)のモデルに沿って活用できると考えており、主要機能をAIDMAモデルにマッピングしています。

 通常は、AIDMAを予測しようとすると、それぞれのフェーズでアンケートやインタビュー調査を企画して、人を集めて……と合計5回分の調査が必要になります。これがD-Plannerを使うと、ワンパッケージでAIDMAの上流から下流まですべてをカバーできるイメージです。

 まずAttetionに関しては、脳がどこに注目するかを把握する「アテンション予測」の機能があり、そこからInterestにかかるところでクリエイティブの内容がどのように伝わったかを数値化する「知覚予測」「GAP予測」があります。そして、Interestを測る指標として「好感度予測」を使っていただけます。

好感度予測の解析結果イメージ
好感度予測の解析結果イメージ(クリックして拡大)

MZ:何を見て、どのように感じたのか、その結果どのように認知されるかがわかるんですね。Desire以降のフェーズでは、どのように活用するイメージでしょうか?

大山:Desireに関しては、「行動意向予測」も多少含まれるところがありますが、「広告効果予測(クリック率)」で表しています。これは特にウェブ広告出稿の指標に使えますね。この広告がどれだけ望まれているのか、要望されているのかを把握できます。

 また行動意向予測は、「試用意向」と「愛用意向」の度合いを予測する機能が含まれており、文字通り“試してみたい”という欲求や、“使い続けたい”という欲求を測ることで、実際に欲求をどれだけ喚起できるのかがわかります。

行動意向予測の解析結果イメージ
行動意向予測の解析結果イメージ(クリックして拡大)

 Memoryにおいては、「記憶定着度予測」で1カ月後の記憶定着度を見ることができます。これは0%から100%で表しており、100%だと全員が覚えている状態、0%だと誰も覚えていないという意味になります。

 最後のActionは、「行動意向予測」ですが、この機能で「購買意向予測」を見ることができます。購買というアクションにつながる度合いを把握するわけですね。

 D-Plannerは、CMや商品パッケージなど様々な動画や静止画で活用できます。それぞれどこに注目がいき、それがどう感じられて、欲求にどうつながるか。記憶にどれだけ残って、最終的に買いたいと思われるかを一貫して見ることができるのです。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36465

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