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“データ×クリエイティブ”はマーケの標準装備になる。「D-Planner」が推進する広告現場のDX

クリエイターの個性や才能をどう捉えるか?

MZ:現在、マーケティングに関わるクリエイティブの現場は、まだまだデータ活用が進んでいるとはいえない状況ですが、D-Plannerを取り入れることで、マーケティングやクリエイティブの現場はどのように変化するとお考えですか?

大山:定性的な情報を定量的なデータとして扱うことができるという点で、マーケターとクリエイターに共通の指標を提供できると考えています。冒頭であったように、クリエイティブを見て、マーケターが「ちょっと違う」と思っても、これまでならその感覚を言語や数値で表すことはできませんでした。その感覚を数値化することで、バックグラウンドが異なるクリエイターとマーケターの共通言語となることを期待しています。

 経営にデータドリブンが根付いているように、クリエイティブの現場にもデータドリブンが浸透していくとよいですね。

MZ:クリエイティブの現場でデータ活用が進むことの可能性を感じる一方で、感性やセンスといった部分を数値で測るのは難しいのではという疑問もありますが、この点についてはいかがでしょうか?

大山:まず前提として、私たちは「マーケティングやクリエイティブの世界に正解はない」と考えていますD-Plannerはあくまでも「受け手がどう感じるか」を定量化するツールです

 クリエイティブの世界には、圧倒的な才能とセンスを持つクリエイターの方がいらっしゃり、その方のセンスを全面的に信頼するという選択肢もあると思います。ですが、企業活動である以上、メッセージが消費者にしっかり伝わっているかどうかは非常に重要なポイントです。素晴らしいクリエイティブは多数ありますが、「いい」だけでなく、「伝わっているか」という観点をクリエイターの方と共有し参考にしていただければと考えています。

MZ:クリエイティブが均質化していく可能性もあるのではと思ったのですが、このリスクはありますか?

大山:これついても同様で、クリエイティブの表現パターンは無数にあります。おっしゃるように、たとえば好感度という点を挙げると、好感度が上がる一定の黄金律というものもあるようですが、それに沿っていないからといって、好感度が上がらないということはないんです。唯一絶対の正解がある分野ではないですし、D-Plannerもその正解を示すツールではありません。

 たとえば、D-Plannerを活用すると、クリエイターから個性的で挑戦的なクリエイティブを提案された時に、受け手がそれを見てどんな印象を抱くかを事前に予測することができます。逆にノーマルなクリエイティブ案が出てきた時は、それを客観的に評価することで「もう少しジャンプさせたクリエイティブにしよう」などの判断材料を得ることができます。あくまでも評価を補助するツールであり、主役は現場のマーケターやクリエイターの方々なので、意思決定の判断材料として活用いただくことを想定しています。

D-Plannerのスコアをクリエイティブ評価指標のスタンダードに

MZ:最後に、D-Plannerに関するこれからの抱負、今後の展望をお聞かせください。

大山:大きく4つの目標があります。1つは、クリエイティブや広告業界のDXです。特にクリエイティブ分野の制作評価は、まだまだDXが進んでいません。D-Plannerを使うことで、これまで不可能と思っていたことができるようになったり、効率化されたりと、広告業界のDXを推進する一翼として貢献したいです。

 2つ目は、よいクリエイティブを作る素地をチーム内に育てることです。売れっ子のCMディレクターやクリエイターのような個人の才能に頼ることも多い業界ではありますが、このソリューションを使えばクリエイティブ業務を定量化・定式化することも不可能ではありません。天才が制作したクリエイティブのよいところをうまく取り入れていくことで、品質の向上・一定化に貢献できると思っています。

 3つ目は、クリエイターとマーケターの架け橋になること。繰り返しになりますが、数字を作っていくマーケターとよいクリエイティブを作るクリエイターの共通言語として、D-Plannerが役立つことを願っています。

 最後の4つ目が最も目指したいところなのですが、このD-Plannerの各種スコアがクリエイティブの評価指標としてデファクトスタンダードになることです。ここで提供している指標は、いずれも企業内に閉じたものではなく、全世界で共有指標として利用できるものにしたいと思っています。テレビにおける視聴率のように、よいクリエイティブ制作を支援する指標として、世界中に浸透することを目指しています

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36465

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