最短1ヵ月でLTV予測が可能に!「LTVForecast」でできること
MZ:では、LTVForecastの機能について詳しく教えて下さい。
吉本:LTVForecastは、利益ベースでの広告施策の計測・評価を可能にするもので、アドエビスのオプションとしてリリースしたサービスです。「商品」「オファー」「媒体」の3つの軸を掛け合わせた粒度でLTVを予測・管理することができます。仕組みとしては、アドエビスで計測するWeb広告データのほかに、お使いのECカートシステムの受注データ、広告費や原価などの変動費を含むコストデータをアドエビスにインポートするだけで、過去の傾向値を基に各施策の収益性が予測され、LTVのシミュレーションが出てきます。
もちろん、これまで通りCPAについても実績値ベースで獲得効率を管理することは可能で、新規獲得とリピート購入で分けて管理できる点が大きな特徴です。これにより、新規獲得効率のいい施策、リピート購入に効果的な施策を把握することができます。
田岡:私自身、商品×オファー×媒体の3軸でPDCAを回すということをずっと実践してきて、これによっていかにLTVが変わるかということを体験しています。この粒度で管理できるところは重要ですね。
吉本:田岡さんが実際にこれで成果をあげられてきたという点は大きなポイントです。業務にしっかりフィットするように、田岡さんに細かくアドバイスをいただきながら丁寧に設計しました。
田岡:Excelを使って力業でLTV評価を行っている会社もあると思いますが、LTVForecastでは、F3以降の売上見込みもレポーティングされます。非常に便利な機能になっており、自社でここまでできている会社はなかなかないと思います。
LTV予測による広告運用を民主化させていきたい
MZ:LTVの数値はどのくらいのスパンで追うのがよいでしょうか?
田岡:1ヵ月単位で売上データを更新して、LTVの数値を最新化するのがよいと思います。LTV予測を基にしたCPA目標が算出されますので、日次や週次の広告管理はそのCPAを基準に運用し、ROIの高い施策に広告費を張り替えていく。そして月次でLTV予測が更新されると、CPA目標も更新されるというサイクルです。
MZ:LTVForecastは、経営戦略に関わるレイヤーでも、広告を運用する現場レイヤーでも活用の意義があると思います。社内での活用のアドバイスはありますか?
田岡:まずは、広告投資のROIが絶対基準に達しているか、広告の投資回収期間はどのくらいか、を見てみましょう。広告投資のROIや投資回収期間を把握しビジネスモデルを実感することは、経営者にとっても現場にとっても重要なことです。
ROIが絶対基準に達しているかを確認できたら、次は商品×オファー×媒体の粒度で相対評価し、一番効率のいい組み合わせを見つけ、クイックに効率のいいところに広告費を移していく。株のデイトレーダーのように、LTV予測を見ながら効率のいいところに予算を投下し、全体のLTVを上げていくというイメージです。
MZ:リリースされたばかりのアドエビスの新機能ですが、これからどのように活用を広げていきたいか、展望をお聞かせください。
吉本:お客様の話を聞いていると、新規獲得チームやCRMチームと組織自体が機能別に分かれているところが多いようです。その場合、部分最適化に各チームが注力しても、全体として事業が成長しているのか、どこで何がボトルネックになっているのかを把握しにくくなってきます。
LTVForecastは、広告投資から収益に至るところまでを一元的に見ることができるので、組織内における共通言語のような指標となればと思っています。より本質的なところの改善を図れるようになったので、お客様との関係性をさらに深めてサポートしていきたいですね。
田岡:最初にお話ししたように、D2CにおけるLTV評価は、ECのレコメンドエンジンと同じで必須なものだと考えています。レコメンドエンジンを搭載していないECがないように、LTVに基づく広告運用をしないD2Cも考えられない。LTVForecastを通してこの概念が広がり、LTV予測による広告運用が浸透していくことを期待しています。