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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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広告を作るだけがクリエイターじゃない、ネット時代に必要なクリエイティビティとは?


キャンペーン型とは違うドミノ倒し型の広告

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逆に今でもドーンとテレビCMを大量に流すのが一番いいケースもありますしね。
小西
そうですね。やっぱり、二極化するんですかね? 「タレントをズラーと並べて、テレビCMバーン!」みたいな豪華絢爛なことをやるか、地道に少しずつ効果のある手法をとるか。

でも意外に、「ピンポイントで小さく突いたところから、カタカタカタってドミノみたいに世の中が変わるやり方もありだな」と感じています。そういう小さな方法で大きく世の中を動かすっていうダイナミズムもあるし、それも気持ちいいなあと思いますね。
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例えば、佐藤可士和さんが明治学院大学のブランドを変えたのって、ビールのCM大量オンエアみたいに「今日の話題」「今日の売上」には直結しないかもしれないけど、「そこで学んで4年間の大学生活を経た若者が世の中に出て行くことがもたらす変化」と、どっちが大きいかって単純に比較できる話じゃないですよね。
佐藤可士和氏が手がけた明治学院大学のデザイン
小西
そうですね。3か月の集中投下キャンペーンで、世の中がガーっと変わるのと、大学のロゴやら制服やらが変わってロングスパンでずーっと変わるのと。比較できる話じゃないですからね。これまでの広告は、どうしてもキャンペーン志向なんでしょうね。

もちろん、キャンペーン型のアプローチも広告の重要な役割ではありますけども。何かを小さくてもいいから変えることで、時間はかかるけどジワジワと将来的には大きく変わるというのをやりたいクリエイターたちもいるし。そういうのを望むクライアントさんもあるし。

凄いお金をかけて豪華にやっても「世の中を騒がしたのも3ヶ月だけだよね」とか、「この後どこまで続くかな? がんばっても1年だよね」とか言われちゃう。そういう一過性の話題作りで終わるのは、僕には違和感があります。

それって「みんな、こういうことやろうぜー」ってCMであおって、みんなが「おー!いいね!」って反応が返ってきた頃に、言い出した本人が「じゃあ俺は次があるんで。興味が無くなりました」って去っていくような(笑)。

そういう話題作りも、商品やサービスによっては大切な手法ではあるんですけどね。でも、一過性なのはやっぱり苦手かも。話題が作れて、しかも一過性じゃなくその企業のブランドを上げるのに貢献するのが、一番かもしれません。 だから、もちろん僕も必要があればそういう話題作りもしますけど。

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フラットな立場で考えられるクリエイターが時代にマッチしてきた

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Tw...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/06/18 09:51 https://markezine.jp/article/detail/3656

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