共感を生む、当事者視点のアプローチ
――「女性視点」を活かしたブランディング支援とは、具体的にどのようなものでしょうか。
MaVieのブランディング支援のポイントは、訴求対象を女性だけに留めない点です。たとえば、食育の資格を活かした離乳食のブランディングでは、「料理が苦手なパパも簡単!親子で一緒に温かい食事を食べよう」などのメッセージでコミュニケーションを設計しました。こどもにまつわるサービスは「ママが主役」になりがちですが、共働き世帯が増えている今、実際にはパパも意思決定に関わっています。ですから、ビジネス媒体などで取り上げられることも想定して、戦略を考えていました。
また、大泉洋さんがナレーションを担当された子育てのドキュメンタリー映画『ママをやめてもいいですか?』(2020年/製作・配給インディゴ・フィルムズ)では、「子育てをしているPRパーソンにお願いしたい」と、映画公開までのPRをご依頼いただきました。本作のテーマは「ママの子育て」ですが、ワンオペ育児や産後うつなど、近年取り上げられることが増えた社会課題も扱っています。一方で、映画自体はポジティブなメッセージを持つストーリーなので、課題感を押しすぎることは避けたい。そういったリスク管理をしながら、ママたちに共感してもらえる設計を考えました。
たとえば、男性も産後うつになりうるといったデータを取り上げる、大泉洋さんと豪田トモ監督の子育てにまつわる対談動画を配信するなど、様々な切り口で情報を発信しました。結果、地上波のメジャーな情報番組や新聞五大紙で取り上げられるなど、PRは大成功しました。
また高級ウェルネスリゾートのブランディングでは、夫婦でホテルを選ぶ際の意思決定に女性が大きく影響することや、働く女性が一人で利用するシーンも想定し、健康・美容に関心の高い層とのコミュニケーション接点を増やしていきました。こうした当事者目線があるからこそ、ダイレクトに魅力が伝わるような施策ができたと感じています。
――女性活躍支援事業では、どのようなカリキュラムを提供されているのですか。
女性活躍支援事業では、知る・学ぶ・アクションするという3ステップのプログラムを提供しています。「学ぶ」のステップのインプット型オンラインセミナー「Mdialogue」では、共働き夫婦のパートナーシップやウェルビーイングなど、ライフにまつわるテーマもお届けしています。6月からは、以前より運営していたサロンをリニューアルし、オンラインラーニング講座「MaVie Salon」をスタートしました。学ぶだけでなく、アクションにつなげる仕組みもしっかり整えています。