音声広告は記憶に残りやすい
――ここからは、広告領域についてお聞きします。御社では、「ラジコオーディオアド」というデジタル音声広告メニューを提供されていますが、コロナ禍を経て出稿量や広告主の顔ぶれ、出稿目的などに変化はありましたか?
小平:音声メディアの注目度が高まるにつれ、ラジコオーディオアドの出稿も増えています。2020年度の広告売上は前年比260%と大きく伸長しました。出稿の目的はコロナ禍以前も以後も「認知獲得」がメインであることに変わりはありません。
Web制作会社や広告会社勤務を経て、2018年9月よりラジコの広告商品の開発とセールスを担当。
小平:広告主の顔ぶれには少し変化があり、「動画サービス」「電子書籍」などの自宅で過ごす時間に楽しむサービスを提供する企業からの問い合わせが増えたほか、若年層のラジコ利用が活発になったことでリクルーティングやオープンキャンパスの訴求も増えました。地上波のラジオCMを出稿されたことのない企業からの問い合わせも増えています。
――企業が音声をマーケティングに活用するメリットはどこにあるとお考えですか?
小平:ビデオリサーチが実施したアンケートによると、「音声広告は動画広告に比べて記憶に残りやすい」という結果が出ています。また、ラジオには「ザッピングされにくい」という特性もあり、実際にラジコオーディオアドの完全聴取率は約98%と高い数値を示しています。その点を評価していただき、出稿してくださる広告主も多いですね。
音声×バナーで高いブランドリフト効果を生む
小平:記憶への残りやすさや高い完全聴取率に加え、音声広告とバナーなどの他媒体を組み合わせることによって相乗効果が生まれることも検証されています(出典:ADKマーケティング・ソリューションズ「ADKマーケティング・ソリューションズ、音声広告とディスプレイ広告を組み合わせた広告効果を検証」)。
音声広告接触者にバナー広告でリマーケティングを行った場合、バナー広告接触者は「認知」「興味」「好感」「利用意向」において、音声広告のみ接触した人よりも高いリフト比率を示しました。
「ADKマーケティング・ソリューションズ、音声広告とディスプレイ広告を組み合わせた広告効果を検証 」
一方のバナークリック率も、音声とバナーのいずれにも接触した人は、バナーのみ接触した人に比べて約1.5倍も高い結果が出ています。
「ADKマーケティング・ソリューションズ、音声広告とディスプレイ広告を組み合わせた広告効果を検証 」
――企業側にマーケティング手法として音声を活用するノウハウが乏しく、何から始めれば良いかわからない担当者も多いと思います。
小平:音声広告は、「認知促進」と「行動喚起」において非常に有効な手段です。今まで動画広告やSNS広告が担っていた役割の一部を、音声広告で担うことから検討いただくと良いのではないでしょうか。
また弊社では、音声広告単体ではなく、他の広告と一緒に実施いただくことをおすすめしています。音声とバナーを組み合わせる場合は、記憶に残りやすい音声広告の特性を活かし、「バナーをクリックしてください」などの誘導を訴求することが成果につながるポイントです。
広告主からは「そもそも音声素材を持っていない」という悩みも多く寄せられています。弊社では、音声制作ヒアリングシートに基づいて原稿を制作し、音声収録する体制をご用意しているので、お気軽に相談いただければと思います。
