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コロナ禍で耳の可処分時間はどう変わる? 音声コンテンツの最新動向

「音声×デジタル」のパイオニア的存在・radikoに聞く、音声メディアの変遷と広告媒体としての可能性

 在宅勤務などによって自宅で過ごす時間が増えている昨今、「耳で楽しむコンテンツ」の需要が高まっている。本連載では、音声を起点に独自のサービスを開発するプラットフォーマーや、独自の発信を行う事業会社の声を基に、音声コンテンツを通じたコミュニケーションの最新動向を追う。第1回となる本稿では、「音声×デジタル」の先駆者的存在であり、2020年4月に月間ユーザー数(MAU)が150万人増と急伸し現在もその純増を維持している「radiko」から、お二人をゲストに迎え話を聞いた。

スマホの普及とともに利用が拡がったラジコ

――「radiko(以下、ラジコ)」は2010年12月のサービス開始以来、利用者を堅調に伸ばし、2020年のコロナ禍以降MAUが900万人を超えたと伺いました。ここ10年におけるラジコの利用概況の変遷について教えていただけますか。

青木:そもそも、ラジコ立ち上げの背景にはラジオ放送が十分に受信できない「難聴取エリア」の問題がありました。ビルの乱立など何らかの理由でラジオ放送を聴きたいと思っている方が十分に聴くことができない事態を解消するため、「通信に乗せて届ける」という発想が生まれたのです。

1993年4月、電通入社。主にラジオ領域の業務に従事した後、2009年4月からIPサイマルラジオプロジェクトに携わる。2009年12月のIPサイマルラジオ協議会発足より運用を担当。2010年12月のradiko設立時に業務推進室長、2017年6月より現職。
radiko 代表取締役社長 青木貴博氏
1993年4月、電通入社。主にラジオ領域の業務に従事した後、2009年4月からIPサイマルラジオプロジェクトに携わる。
2009年12月のIPサイマルラジオ協議会発足より運用を担当。
2010年12月のradiko設立時に業務推進室長、2017年6月より現職。

青木:当時は今ほどスマートフォンの普及率が高くなかったため、ラジコは主にPCで利用されていましたが、その後はスマートフォンの普及とともにラジコの利用率も成長していきました。

 ラジコをリリースした翌年に東日本大震災が起き、緊急災害メディアとしてのラジオの役割が大きく見直されました。災害が起きた時、手元にラジオ受信機がなくてもラジコがあれば情報を受け取れる。「ラジコがあって助かった」というお声が寄せられ、認知も広がっていきました。

 2014年4月に、全国のラジオ番組がエリアを越えて聴ける「エリアフリー機能」を、2016年10月に、過去1週間以内のラジオ番組をさかのぼって楽しめる「タイムフリー機能」を追加しました。

 タイムフリー機能は「聴き逃してしまった番組を聴きたい」という生活者の声にお応えするのが目的でしたが、自分の聴きたい時間に好きな番組を聴けるようになったことで、いわば「生活者自身がラジオ番組の編成局長になれる」という新たな体験を生んだと考えています。

 また、番組で話題になった出来事がSNSを通じて拡散され、気になった人が後から番組に接触できる環境を作ることもできました。

10代が「新しいメディア」としてラジオに出会う

――その後2020年のコロナ禍を経て、どのような変化があったのでしょうか。

青木:2020年2月に約750万人だったMAUが、コロナ禍の2020年3月には900万人を超えました。約150万人/月というペースでの増加はサービスローンチ以降初めてのことであり、国民のコロナに対する緊張感の凄まじさを痛感しました。

 当時のラジオ放送局では、事実を伝えつつも「精神的な癒し」をテーマに番組が作られていたように思います。連日報道される感染拡大のニュースで精神的に辛くなってしまった人が増える中、ラジオが選ばれたのではないでしょうか。

【クリック/タップで拡大】出典:2020年11月「第13回radikoユーザーアンケート調査」
【クリック/タップで拡大】
出典:2020年11月「第13回radikoユーザーアンケート調査」

青木:これに加えて、10代の聴取率が大きく伸長したのも、2020年3月以降の特徴です。休校や外出自粛で可処分時間が増える中、新しいメディアとしてラジオに出会ってくれたのだと思います。

【クリック/タップで拡大】出典:2020年11月「第13回radikoユーザーアンケート調査」
【クリック/タップで拡大】
出典:2020年11月「第13回radikoユーザーアンケート調査」

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/36750

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