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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

特集:ブランドの魅力が伝わる、戦略的な顧客接点

デジタルシフトで生き残る「5つの条件」

デジタルを通した継続性はビジネス上の最重要点

 そして5番目は、「デジタルの接点と体験をブランドが継続的に改善しつつ提供できるかどうか」。2020年の緊急事態宣言やロックダウン時に、リアル店舗での購買が制限されたおかげで、生活必需品以外の商品はすべてオンラインシフトを余儀なくされました。また2020年は、リモートワークに必要なカメラやマイク、アクセサリー、またはデスクや椅子などが「巣ごもり需要」として大幅に拡大しました。コロナ禍で加速した需要の一部は2021年上半期も好調が続いているようですが、今後ワクチン接種が進み、徐々に以前の状態に戻った際に、その需要がどれだけ続くかはわかりません。

 ここはコロナ禍でのデジタルシフト加速を大きな機会として捉え、逆にこの機会に拡大した顧客との関係をいかにして積極的に維持するかが求められます。デジタル接点が加わったことの大きな意味は、スマートフォンのような高機能な情報端末をほとんどの顧客が持っていることで、リアル接点だけに頼っていた時と比べ、デジタル接点を通して常に顧客との関係が可視化され、なおかつつながることが可能になったことです。

 昨今のデジタルトランスフォーメーションとは、このような視点を全社的に実現することが求められた結果とも言えます。デジタル接点を通した顧客との関係の維持は、当然ながらブランドの未来のビジネスにおいて重要で、これはECではおなじみのKPIであるLTVと呼ばれるものです。

 もちろん、今後プライバシー保護の観点から、アプリをダウンロードしてもらえば顧客を常に追いかけ回すことが可能になるというのは幻想になります。しかしながら、顧客はそれがリアルであろうがデジタルであろうが、そのとき自分が望む最適な形で、ブランドとのつながりを求めるものです。その際にブランドが対応できる接点をきちんと設計していれば、顧客は積極的につながりを持ってくれるはずです。そしてそのような全体的な形で顧客にアプローチをしていくことは、コロナ禍が過ぎた後でもますます重要になっていくでしょう。

※1 ペイパル「『2021年ペイパル海外通販レポート』を発表

※2 南オーストラリア大学アレンバーグ・バス研究所のマーケティングサイエンス教授兼ディレクター。著書に『ブランディングの科学誰も知らないマーケティングの法則11』(朝日新聞出版)など。

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この記事の著者

鈴木 健(スズキ タケシ)

ニューバランスジャパン マーケティング部 ディレクター。1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランスジャパンに入社し、現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティング・コミュニケーション全般を担...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:18 https://markezine.jp/article/detail/37018

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