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特集:ブランドの魅力が伝わる、戦略的な顧客接点

「BOTANIST」のI-neに学ぶ、一貫したブランド体験の作り方

 「BOTANIST」や「SALONIA」を筆頭に、ヘア・スキンケアや美容家電、ドリンクなど多数のカテゴリーでのヒットブランドを持つI-ne(アイエヌイー)。快進撃を続ける背景として高いブランディング力が見受けられるが、それを維持し続けるのは簡単なことではない。そこでI-neのブランドの肝となるインハウスクリエイティブチームをまとめ上げるブランディング本部本部長の今井 新氏にインタビューし、その要因をはじめ、ブランドを築く上で必要な要素について語ってもらった。

※本記事は、2021年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』68号に掲載したものです。

I-neにとってブランドは「幸せの連鎖」を具現化するための重要なツール

株式会社I-ne 取締役 兼 ブランディング本部本部長 クリエイティブディレクター
合同会社Endian 代表職務執行者 今井 新(いまい・はじめ)氏

 経営・事業戦略からブランド立案、プロダクトデザイン、広告クリエイティ ブディレクションまで行う。ハードコアミュージックカルチャーに影響を受 け、クリエイティブ職に従事。

――はじめに、I-neとして「ブランドの提供価値」をどう捉えているのか教えてください。

 I-neのすべての活動は「Chain of Happiness(以下、COH)」、つまり商品を通じて“幸せの連鎖を作ること”を目指して行っています。商品をきっかけにお客様に幸せ(ポジティブなマインド)を感じてもらうことで、その幸せが周囲の人たちにも良い影響を与え、I-neの社員や家族、取引先とその家族、ひいては社会全体に連鎖していく。その輪をより多く、より大きくしていくことが私たちのミッションです。

 その中でブランドやプロダクトは、より多くの人のQOL(Quality Of Life)を高め、COHを具現化するために存在しているものと考えているので、お客様から共感・共鳴をいただき、共創していくことで、関わった人の視点にポジティブな変化を与えられるようなブランドになれればとの想いを持っています。

――そのようなマインドセットができたのは、いつ頃からなのでしょうか?

 COHを経営理念として掲げるようになったのは2013年頃からです。きっかけは、ボス(お客様)から会社に寄せられた1件の商品レビューでした。

 「ヘアスタイルが嫌で学校に行きたくないと言っていた娘が、購入したストレートアイロンによって楽しく学校に行くようになった」という声だったのですが、このレビューを見たとき、「まさに自分たちが実現したいことはこれだ」と気づかされ、COHの言葉で社内に浸透していきました。

――3月に主力ブランド「BOTANIST」のリニューアルを実施されましたが、それもCOHに基づいて進められたのでしょうか。

 はい。BOTANISTは植物に敬意を払い、ボタニカルライフスタイルを提唱しているブランドです。それで以前より森林保護活動に売上の一部を寄付したり、植林活動に参加したりしてきましたが、「植物の力をより実感できる商品を届けたい」というブランドに込めた想いをより深く発信するため、さらには、この先の時代をより良くするために私たちができることは何か考えた結果、リニューアルに至りました。

 リニューアルのポイントは、容器をプラスチックから環境に配慮したバイオマス容器へと切り替えたことと、約30万種の植物から厳選した新成分を配合し髪への効果がアップデートされたこと。植物保全を通して、植物と人が長く豊かに共存できるような地球環境のサポートに取り組み、サスティナブルなブランドへと進化しています。

――では顧客とのタッチポイントにおいては、COHをどのように表現しているのでしょうか。

 COHを体現する手段がブランドと考えているので、ブランドのメッセージをどう伝えるかを常に考えて動いています。

 たとえば今回のリニューアルの場合、「一歩踏み出す、自然と変わる」というメッセージを打ち出していました。そこには、たとえ一歩という小さなアクションであっても踏み出すことが大切という想いを込めています。特にコロナ禍で社会全体が塞ぎこみがちな今だからこそ、前向きな行為で周りに良い影響を与え、全体の変化につなげたいとメッセージを発信することにしました。

 私たちもまだ満足にできているわけではありませんが、そうしたメッセージはすべてのタッチポイントで一貫して伝えていくことが重要です。ビジネスを成り立たせるために商品訴求をすることも大切ですが、見た人にブランドのメッセージが最大限伝わり、共感・共鳴してもらえるような表現を考えます。それはSNS、YouTube、Webサイト、LP、店頭什器、広告など、どのコンテンツでも同様です。コアメッセージをそれぞれの媒体特性に合わせてチューニングしていく感じです。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:19 https://markezine.jp/article/detail/37033

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