「専門知識なし」で施策に必要なデータの統合を実現
――コープこうべでは、そのようなデータ分析や施策実施のために、データマーケティングツールである「b→dash」を導入していると伺いましたが、どのような理由でb→dashを利用することを決めたのでしょうか。
向井:元々、店舗事業と宅配事業で、組合員様に関するデータはバラバラに管理していたのですが、それらのデータを統合し、より店舗も宅配も利用していただきやすいようにすることで、1人ひとりの組合員様の暮らしに役立てられればという想いがありました。
このデータ統合の作業を、一般的に必要とされるSQLなどの専門知識がなくとも、我々の手で簡単にデータを統合できること、また、それによって施策実行までのスピードを向上できるという点からb→dashの利用を決めました。
向井:そもそもb→dash導入以前は、EC、宅配、店舗のデータがすべてバラバラに管理され、統合されていなかったので、いざ何か施策を打とうにも、分析しようにも、そのデータを集めて、施策や分析に使える形に変換する作業がすごく大変で、非常に工数がかかってしまうという課題がありました。
b→dash以外の他社ツールの導入も検討したのですが、他のツールでは、データを統合しようとすると、先程もお話したSQLが必要になるので、どうしても我々の力ではできずに、そのツールベンダーのエンジニアにお願いしないといけない部分が非常に多かったです。その場合、追加の費用などがかかる場合もあるでしょうし、作業をお願いすると施策の実行までに時間もかかってしまいますので、この点はデメリットに感じました。
一方、b→dashには「Data Palette(データパレット)」という機能があり、SQLなどの専門的知識を持っていなくても、ノーコードで簡単にデータを統合できました。この点は大きな強みだと感じましたね。
コロナ禍におけるサービス改善を迅速に実現
――では実際にb→dashを導入し、どのようなことが実現できたのでしょうか? 具体的な事例を教えてください。
向井:生協の宅配では、組合員様からご注文いただいた商品の数が、こちらで用意している数よりも多かった場合、ご注文いただいた方の中から抽選して当選した方のみに商品をお届けしています。昨今のコロナ禍の影響により需要が大きくなり、非常にたくさんの注文をいただくのですが、どうしてもご注文いただいた商品をすべての組合員様にはお届けできず、抽選で当選された方しか商品をお届けできない、ということが多く発生していました。
この仕組みの課題として、「お届けができる/できない」という抽選結果は、配達で訪問するタイミングでしか組合員様にお伝えできない、というものがあり、組合員様には非常にご不便おかけしていました。
「抽選結果を事前にお知らせできる仕組みが構築できないか」と、複数のツールベンダーに相談したのですが、どうしても費用の面や、実装に何ヵ月もかかってしまうといった時間的な課題があり実現できておりませんでした。
そんな中、b→dashは、注文データや抽選結果データを統合する機能や、抽選結果をお知らせするメールを配信する機能の両方を持っていることから、ベンダーへの追加発注をする必要もなく、「注文→抽選→抽選結果お知らせ」といった一連の流れを構築することができ、配達前に組合員様に抽選結果をご連絡することができるようになりました。
その結果、組合員様から「利便性が上がった」という喜びの声を非常に多くいただけました。