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特集:BtoBビジネスの勝敗を分ける戦略

市場の激変に直面したベルフェイス。メインユーザーの再定義をいかに進めたか?

解約/ロイヤル顧客双方に話を聴き、差分を推定

――再度のPMFを目指すにあたって、どんなアクションを取ったのでしょうか。そこでカギとなった行動についても教えていただけますか。

 とにかくたくさんお客様と接点を持って、話を聴きました。これに尽きると思います。一つは解約されたお客様へのインタビューを、カスタマーサクセス主導で進めました。先ほどお話しした解約理由も、インタビューで見えてきたことです。

 一方で、一部の業界やお客様からは、「やっぱりbellFaceがいいんです」「Zoomではうまく回らなくて」という声を頂戴していたので、そういったロイヤルなお客様にもヒアリングを行い、使わなくなってしまったお客様と使い続けているお客様の差分について、仮説を挙げていきました。お客様の属性や会社規模、営業部門の規模、商材の違い、拠点営業範囲、営業先のお客様がどのような方々か、といった様々な情報を集めて、どこに違いがあるのかを考えていくんです。

 定性的に導いた仮説は、現在の契約企業リストに照らして定量的に検証します。影響の大きそうなパラメーターが見つかったら、それに沿ってデータを抽出して利用率を見てみます。既に一定のデータがあり検証できる、というのが、顧客がほとんどいない最初のPMFを目指す場合とは違う点だと思います。このような過程を経て、今年の1月頃にメインターゲットの再定義に至りました。

――従来のメインユーザーはIT系のベンチャー企業とのことでしたが、どのように変わったのでしょうか。

 ロイヤルユーザーになりうる3つの要素を洗い出し、それらを満たすであろう業界に照準を絞ることにしました。現在のメインターゲットは金融業界です。

 3つの要素とは、まず営業先のお客様がITツールやPCに慣れていらっしゃらないこと。次にカスタマイズ性が低い商材。細かい調整が必要になると、直接会って話を聞きたいというニーズが生まれます。そして、電話から始まる営業スタイルが既に根付いていること。つまりインサイドセールスのような営業文化を持っている企業とは相性が良いと見えてきたんです。去年営業をしている段階から手応えはあったのですが、データでも同様の結果が出たことで、営業やマーケティングのリソースを金融業界に集中的に投下する判断ができました。

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ユーザー理解とプロダクト理解の両方が不可欠

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:20 https://markezine.jp/article/detail/37311

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