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特集:BtoBビジネスの勝敗を分ける戦略

市場の激変に直面したベルフェイス。メインユーザーの再定義をいかに進めたか?

ユーザー理解とプロダクト理解の両方が不可欠

――新しくターゲットとなる金融業界は、これまでのユーザー層とはかなり異なると思いますが、どのように理解を深めていったのでしょうか。

 おっしゃるとおりで、最初は金融業界の方々がどのように働いているか、その先で商品を購入されるお客様がどのような方々なのか、なかなか想像ができませんでした。そこで実施したのは潜在顧客インタビューです。ターゲット属性に当てはまっている方にインタビューの機会をいただいて、普段どういった業務をされているのか、今どのようなことを課題に思っているのかといったことを、1時間ぐらいヒアリングしました。専任のプロジェクトメンバーをアサインして20回ほど行い、マーケティング部門の全員でそれを聴きました。

――商談などでbellFaceを説明するときのワーディングやコピーは、変更しましたか。

 現在ブラッシュアップしているところです。以前は「営業に特化したWeb会議システム」と表現していたのですが、現在は「チームで売上を最大化するオンライン

 営業システム」「電話コミュニケーションの延長で、画面を共有しながら説明ができる」といった伝え方をしています。他には、DXという世の中の関心事に合わせて、「DX推進の第一歩として、非対面営業から始めませんか」と、ビジョンとともに価値を伝えるようになりました。

 この点については、単に伝え方を変えるだけでなく、オンライン営業の定着支援やお客様が抱えている営業課題の解決にこれまで以上に入り込むようになっています。定着のためにどういう仕組みを作らないといけないか、KPIをどう設定するか、メンバーのモチベーションを上げるにはどうすればいいのだろう、といったノウハウにニーズがあり、それを価値と感じていただいていることに気づいたのです。

――マーケット側への理解とともに、プロダクトが持つ価値を理解することも重要ですね。

 はい。いくらマーケットに詳しくなっても、プロダクトを深く理解していなければ、PMFは達成できません。今回、営業部門が集めた声を聴いてみると、「Web会議システムを導入しているけれど、なかなか使わず訪問してしまっている」という悩みとともに、自分たちの提供価値に改めて気づくことができたのは良かったです。

 BtoBの商材の場合、マーケティング担当者が自社製品のターゲットではない、という状況が多くなってしまいます。私もマーケティングをやっている過程で、最近追加された新機能を触ったことがないと気づいたり、ユーザーからの質問をちらっと覗いてみると、自分が答えられるものがほぼなかったりして、理解不足を痛感したんですよね。今はbellFaceを社内のミーティングに使う、日程を押さえてマーケティング部みんなで新機能を使い、出てきた意見を開発部門に共有するなど、できることから始めています。

前提を疑う姿勢を忘れずに

――今回再度のPMFに取り組まれて考えたこと、学びになったことを教えてください。

 もう少し早く、変化に気づくべきだったという反省があります。ユーザーやマーケットの変化の兆しが見えた時点でもっとしっかりデータを見て深掘りできていれば、より迅速に戦略の変更ができたはずです。

 一度PMFを達成したら、後はマーケティングにどんどん投資して良い、ということではありません。プロダクトもマーケットも常に変わりうるものです。特にコロナ禍のような社会的な変化が大きいタイミングでは、そうした意識を持って「前提から疑いにいく」ことを教訓にしたいと思っています。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:20 https://markezine.jp/article/detail/37311

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