データの整備・検証/当日フォロー 2社のリードの質改善施策
井田:瀬崎さんはリードの質を高める工夫をどのように進めていますか?
瀬崎:当社ではマーケティングのDX化を進めており、ウェビナーの回数やメールの強化を行うことで、デジタルリードも前年比4倍となりました。とはいえ、やはり案件化するものとしないものの二極化が浮き彫りとなり、リードの質問題が上がってきたので、データでリードを検証することに取り組んでいます。ポイントは「そもそも、そのリードは当社のお客様なのか」という点と、「そのお客様が、今欲しいと思っているか」という質とタイミングの両軸で検証していることです。
具体的にやっていることは2つです。1つはデジタルリードの可視化・分析。データをしっかりクレンジングして可視化・分析しやすいように整備した後、MAでそのデータ一つひとつに評価付けを行なっていきます。この判断基準がリードの質になり、BIツールを使って「ウェビナーの参加者のうち、当社のお客様がどれくらい参加したのか」など分析していくわけです。
もう1つが勝ちパターンとの比較です。先ほどタイミングの軸でリードを検証していると話しましたが、タイミングを掴むのは大事な反面、難しいんですよね。当社では成功モデルを定義して、そこと近しい行動をしているリードの方に、追加オファーを出していくということに取り組んでいます。実際に今Webサイト強化をしてリードを取っているのですが、Webから入ってきたリードがウェビナーに参加して案件になるという勝ちパターンを踏襲することで、従来に比べ約2倍くらい差が出ることがわかってきました。この活動をサポートするのがCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。

井田:瀬崎さんはデータに強いんですよね。データクレンジングなど時間をかけて整理しつつ、CDPを構築して、勝ちパターンを見つけて、ステップメールのタイミングを見計らい、オファーを出して成果を上げているんですね。
では、私もリードの質向上に向けて取り組んでいることをお話しします。リードの質とは、そもそも受注するかどうかにかかっています。集客が多くても受注していなければ意味がないので、どうすれば受注につなげられるかを考えました。
ウェビナーが増えてしばらく、セミナー後に参加者の方にアポを入れようとしても、全然アポが取れないということがありました。電話をしても、そもそもウェビナーに参加したことを忘れている方が多くて……。要は「記憶に残っていない」わけです。ウェビナーが増え、ラジオ感覚で聴くようになれば、運営側からいきなり電話が来ても驚くだけですよね。それまで電話はウェビナー2日後くらいにかけていたのですが、このタイムラグが問題なのではないかと思い、当日フォローに切り替えました。

まずウェビナー前日に申し込みリストを精査して、既存のお客様や、直近で資料をダウンロードしてくれた方などを洗い出し、誰が誰をフォローするかを決めてインサイドセールスにアサインします。当日、ウェビナーの出席者を見てインサイドセールスがフォローするようにし、またMAでアンケートを実施し、その回答をsalesforceにリアルタイムで連携することで、インサイドセールスがアンケートの回答状況を見ながら適切にコミュニケーションするようにやり方を変えました。これでアポ件数がかなり上がるようになったんです。ウェビナーが増えてきて、なかなか記憶に残らない中では、当日フォローの効果が非常に大きかったですね。
集客に効果抜群!DMも積極的に活用しよう
井田:次のテーマは、ウェビナーが増えている中、「集客が大変になってきている問題」です。もう時間がないので、おすすめの方法を簡単に紹介して終わりたいと思います。
瀬崎:では一言でまとめます。直接DMを送ってみてください。当社では以前に井田さんから教わったDM作戦を活用しているのですが、今後は手紙に色や香りを付け、心理的作用への効果を検証したいなと考えています(笑)。
井田:井田メソッドというんですけど、おすすめですよ。ポイントは、請求書のような見た目の封書にすることと、事前にきちんとターゲットリストを作ることです。SNS広告よりもCPAはいいので、騙されたと思ってやってみてください。「コロナ禍で出社を控えているのでは」と思われがちですが、意外と受け取っていただけます。
成末:僕もやってみます。
井田:最後は駆け足で申し訳ございませんでした。イベントやデマンドジェネレーションで奮闘しているマーケターの方は多いと思いますので、ぜひまたこうした機会で情報交換ができれば嬉しいです。ありがとうございました。