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デジタルで広がる、オフライン広告の可能性

SNSで話題になった「Tinder」のオフライン広告を分析!話題化を生み出す3つのコツとは

「マッチングアプリ×駅広告」の意外性による話題化

 マッチングアプリと交通広告という意外性のあるメディア選定が話題化の3つ目の理由だと考えています。

 そもそも交通広告には、掲出時に厳格な審査があります。多くの方が毎日利用する公共の場としての側面がある事からも、そのルールは他に比べて厳しい傾向にあります。

 元々は多くの電鉄で掲出NGとなっていたマッチングアプリですが、2019年に株式会社エウレカが運営するマッチングアプリPairsが大阪・福岡の鉄道に広告を掲出開始。コロナ禍による打撃等の影響もあり2020年に各電鉄で解禁が加速、今では電車内で中吊りやドア横ポスター、ステッカーでよく見るようになりました。

 ここ最近の規制緩和もそうですが、マッチングアプリというサービス自体が世間的に市民権を獲得してきている印象があります。

 今回のTinder広告は、駅構内で実施される広告としては珍しいジャンルゆえ、ユーザーの好奇心をくすぐり、話題化に繋がったと考えています。

 処方箋を彷彿とさせるクリエイティブについて、恐らく駅構内で実施できる表現の規制等もあったと想定しています。限られた表現幅の中で、上手くTinderの提供する価値を表現しているのではないでしょうか。

 若年層を中心に理解のあるマッチングアプリですが、全世代に受け入れられているかと言えばそうではありません。ストレートに、ただ淡々とサービスについて紹介するのではなく、薬の処方箋に模して“効き目”としてTinderの価値を再定義することで、マッチングアプリに抵抗がある層にも興味を持ってもらうキッカケに繋がったのではないかと考えています。

 10月に緊急事態宣言が明け、人々の外出機会が増えたことでOOH市場も活性化してきている印象があります。弊社で運営するBIZPAでも、駅広告を始めとする屋外媒体への問い合わせは増えつつあります。

 コロナ禍で外出が制限されていたことで屋外系の媒体を諦め、ネット広告に予算を投下する企業は多くありました。ただ、10月から緊急事態宣言が明けたことによる人出の回復を見越して、OOH施策を検討している企業も多いのではないでしょうか。

 緊急事態宣言下では空き枠の目立ったOOHですが、最近は様々な広告を見るようになりました。今後の各社の展開には注目ですね。

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この記事の著者

加藤 誠也(カトウ セイヤ)

株式会社ビズパ アドクロ編集長

 食品メーカーで営業職を経験後、2019年に同社入社。主に、編集長として広告・マーケティングの情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を担当。「広告巡礼」を日課としており、Xでは見つけた広告事例に考察を添えて発信、テレビ出演やセミナー登壇も多数。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/02 07:00 https://markezine.jp/article/detail/37658

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