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第71号(2021年11月号)
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定期誌『MarkeZine』巻頭インタビュー

顧客起点で成長し続ける インバウンドマーケティングを実践するHubSpot Japanの現在地

 売り込むのではなく、まず価値を提供して顧客との関係を築き、結果として事業成長につなげる――そんな「インバウンド」の考え方をBtoB領域で広げてきたのが、CRMプラットフォームを提供するHubSpotだ。日本市場に進出して5周年を迎え、有料顧客数を15倍に伸ばしたHubSpot Japanは、今年9月、Googleをはじめテクノロジー領域で営業や組織構築の経験を積んできた廣田達樹氏がカントリーマネージャーに就任。米国外で同職が置かれるのは日本が初めてだという。廣田氏と、これまで同社をけん引してきた伊佐裕也氏に、現時点での手応えと今後の展望を聞いた。

電子版(誌面)はこちらから閲覧できます。

※本記事は、2021年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』71号に掲載したものです。

まず価値を提供するインバウンドの思想

(左)HubSpot Japan カントリーマネージャー 廣田達樹(ひろた・たつき)氏

 テクノロジー企業で26年間にわたり幅広い事業規模の顧客を対象とした営業、パートナー営業、事業開発の経験を持つ。Googleでは日本、韓国、東南アジア市場のビジネス開発コンサルタントチームを統括し、6,000社以上に及ぶ企業のデジタルトランスフォーメーションを支援。また同社のアジア太平洋地域における新規顧客獲得プログラムの構築を担当し、営業オペレーションの効率化に貢献した。Google入社以前はVMware、HP、Dellなどの大手テクノロジー企業において営業、戦略、オペレーション部門のリーダーとして、eコマース、インサイドセールス、新規事業提携や新規営業組織の立ち上げに従事。2021年9月よりHubSpot Japanのカントリーマネージャーを務める。

(右)HubSpot Japan シニアマーケティングディレクター 伊佐 裕也(いさ・ひろや)氏

 DELL、SONY、Googleなどのグローバル企業でマーケティング業務に従事。GoogleではSMBマーケティングチームを統括し、中小企業向け事業におけるインサイドセールス・マーケティング体制の構築を行う。その後クラウド会計ソフトのfreee、クラウドロボティクスのRapyuta Roboticsにて日本発のBtoBスタートアップ企業でのマーケティングチームを統括。2018年より現職。

――今年7月、HubSpot Japanは5周年を迎えられ、9月末に廣田さんがカントリーマネージャーに就任されました。テクノロジー領域で長く経験を積まれたそうですが、まずご経歴をうかがえますか?

廣田:新卒で旅行業界に数年勤めたのち、ITに興味を持ってIT業界に飛び込みました。DELLやHP、Googleなどで約26年、営業を軸にチームマネジメントや事業開発に携わり、Googleでは日本と韓国、東南アジア地域のビジネス開発コンサルタントチームの責任者としてDX支援に努めていました。

――現在、日本市場でのビジネスが非常に好調とのことで、概況を教えてください。

廣田:創業から5年で、有料顧客数が約15倍と、グローバルでの成長速度の2倍以上になっています。HubSpotの販売パートナー企業数は約13倍、そして従業員数は約5倍になりました。我々の顧客をより強力に支援するため、2025年までに従業員数をさらに4倍、300名規模に増員する予定です。

 現在は完全にリモートワークで、私はまだほとんどスタッフに会えていませんが、HubSpotでは非常に企業文化を大切にしています。社内で共有する指針を「カルチャーコード」と呼び、先日ちょうど改訂したところです。

――では、直近まで共同事業責任者を務められていた伊佐さんに、この5年間についてうかがえればと思います。改めて、御社が提唱するインバウンドの思想について教えてください。

伊佐:「インバウンド」というと、訪日観光客や海外からの需要の獲得を想起する方も多いと思いますが、我々は創業時より「相手から価値を受け取る前にこちらから価値を提供し、長期的な関係を築く」考え方として提唱しています。結果として顧客との距離が近づき、有料のソリューションも含めて役立てていただいて、自社の事業成長にもつながる、という流れです。

日本の顧客ならではの課題に寄り添う

――5年の間に、BtoB領域におけるインバウンドの思想もだいぶ広がったように思います。潮目となったことなどはありますか?

伊佐:特定の出来事ではないのですが、2年ほど前から、日本市場向けのコンテンツをより厚くしました。海外で制作されたコンテンツの翻訳版だけでなく、日本の顧客やこれからインバウンドマーケティングやセールス、カスタマーサービスを始めたい方から聞いた“困りごと”に対してコンテンツを企画し、ブログやテンプレートなどの形に展開していったのです。

 すると、SNSでの言及の量や言及する人が増えていきました。我々が無償で提供しているeブックやホワイトペーパー、メール文面などのテンプレートのダウンロード数も、月間で数千件単位になりました。

 SNSでは、改善点のヒントなども得られますが、うれしいのは「こんなに充実した情報が無料でもらえるなんて」「無料ツールでここまでできるのか」といった感想ですね。我々の「まず自分たちから価値を提供しよう」との考えが、しっかり伝わっていると実感できます。

――インバウンドの手法をまさに御社自身が強化し、伸びてきたわけですね。

伊佐:はい、その点は強く意識しています。売り込むよりも、相手が興味を持って近づいてもらうことを意図する以上、それを通して我々がビジネスを成長させなければ説得力がありません。

 ただ、そもそもインバウンドの思想は日本のビジネスに合っていると思います。たとえば江戸時代やそれより前から、台帳で顧客情報を管理し、コミュニケーションを大切にして関係を築いてきた歴史もあります。まず相手に価値を提供することは、「三方よし」の成立にもつながっていると思います。

 加性向上がどの企業でも急務です。その点も、顧客の側から近づいてもらう考え方がフィットしえて、昨今は少子高齢化や労働人口の減少により、ビジネスの生産た一因だと捉えています。

――販売代理店であるパートナー企業の厚みは、どうお考えですか?

伊佐:これは我々の働きかけというより、思想や世界観に共感してくださっているところが大きいです。5年前に日本法人を設立する前から、実は熱心なパートナー企業の方々が海外の資料を日本語に訳し、国内企業に展開していたんです。

 もちろん、世の中が変われば求められる価値も変わりますし、結果として我々のビジネスも変容していきます。ですが根幹にある考え方は変わらない、ステークホルダーとの約束です。パートナー企業との信頼関係も、この約束の上に成り立っていますし、だからこそ熱量を高く持ってHubSpotの販売にあたってくださっているのだと思います。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/25 06:30 https://markezine.jp/article/detail/37757

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