パートナーとともに新しい広告プロダクトを試す意義
毛利:企画軸の検証では、切り口を3つ用意しました。「#おうちバル」「#ご褒美スイーツ」などのハッシュタグ別企画、アイスやカレーなどの商品カテゴリ別企画、そしてスタッフのお薦め企画です。この中でCVRが最も高かったのは、ユーザー自身が商品を探す手間のないスタッフレコメンド企画でした。
毛利:CTRはハッシュタグを使った企画が最も高かったので、商品のラインアップやクリエイティブによって、ふさわしい企画軸を探る必要があると感じました。細かい数値の良し悪しはあるものの、全体を通して商品タグ付き広告の有用性を実感できたのは大きな収穫でしたね。
MZ:ここまで細かく検証内容を設計されていたことに驚きました。羽片さんから見て、マーケターが毛利さんの姿勢に学ぶべきポイントはどこにあると思われますか。
羽片:第一に、商品タグ付き広告のような新しい機会をいち早く捉える先見性が大事だと思います。「Instagramでものを売る」という取り組みは、まだ白地の領域です。競合他社が参入してくる前に、いかにナレッジを貯めておけるかが成功のポイントではないでしょうか。
第二に、PDCAサイクルをしっかり回すことのできる社内の体制作りです。売上最大化を目指すには、検証内容や予算配分などをグッドイートカンパニーと我々の両社でハンドリングしていかなければなりません。毛利さんとは細かいところまで議論しながら取り組めたので、良い成果につながったのだと思います。
毛利:羽片さんをはじめサイバーエージェントチームのメンバーには、知らない情報を教えてもらえたり、私が思いついたぼんやりとしたアイデアに具体的な肉付けをしていただけたりするので、とても助けられています。
売上が上がらなければ何の意味もない
MZ:最後に、お2人の今後の展望をお教えください。
毛利:今回の検証によって、GOOD EAT CLUBにおける買い物体験の向上を商品タグ付き広告で実現できる兆しが見えました。今後はさらにCTRの向上を目指し、CPCをどれだけ下げられるかに挑戦していきたいです。
食のECは、どれだけ短時間でマイクロモーメントを引き上げられるかが鍵だと思っています。「美味しそう!」と思った瞬間に購買へ促すためには、インプレッションからクリックまでのボトルネックを解消していく必要があるので、そのためにも商品タグ付き広告などの新しいフォーマットを積極的に取り入れて効果を検証していきたいですね。
羽片:消費者側が新しいものにどんどん手を伸ばす今の時代において、Instagramという場所を売上につなげていくことが我々の最重要課題だと思っています。逆に言うと売上が上がらなければ何の意味もないので「ユーザーをどう動かしていくか」「ユーザーにどう買ってもらうか」を考えながら、広告でもオーガニック投稿でもコミュニケーションを図るサポートを続けたいです。