低予算で狙ったターゲットへテレビCMを打つことが可能に
――テレビCM、インターネット広告の販売を開始されたことによって、具体的にどのようなマーケティング支援ができるようになったのか、提供サービスの全体像を聞かせてください。
橋本:当社のユニークデータをもとにセグメントを設定し、そこにリーチできる媒体枠を見極めたプランニング、テレビCMオンエア、デジタル広告配信を可能にします。そして配信後にはターゲットが実際に購買したかどうか効果検証し、次のプランニングにつなげるという一連のPDCAサイクルの運用を支援できるサービスです。
今までのダイレクトメディアに加えてテレビCMやインターネット広告での配信が可能になったことで、いわゆる認知系メディアをおさえられるようになりました。購入や申し込みを後押しするダイレクトメディアも用意があるので、我々側のストックだけでファネル全体をカバーできる形になっています。
無駄の多い“デモグラ”からの脱却
――低予算で狙ったターゲットへCM出稿できるというのはどういう仕組みからでしょうか?
橋本:たとえば、お菓子メーカーが少ない予算でテレビCMを打ちたいとします。
その際“スイーツ好き”を対象にしたいと考えても、従来のデモグラフィックなセグメンテーションでは、「関東の20~40代の女性」といった設定しかできませんでした。
そう設定した場合、約889万人が選定されるのですが、その中でスイーツをよく買う人は一部ですから、このセグメント全部にテレビCMを当てに行くともったいないですよね。
こういうとき、CCCの購買データを使うと全体から“スイーツ過去購買者”を試算して、より効率的なセグメントを設定できます。さらにそのセグメントに属す人たちが見ているテレビ局や、どの時間帯にどういう番組を見ているかがヒートマップで見えるようになっていて、効果の高い出稿プランが立てられるのです。
またそこでポイントとなるのが、15秒CMを1本単位で購入できる「SAS(Smart Ad Sales)」を中心に採用していること。従来主流であるタイムやスポットとは違い、テレビCM枠を1枠ずつ、それでいて放映日時や番組を選んで買うことができるので、スイーツ好きがどこにいるかを1本ずつシミュレーションすることが可能です。SASで販売されるテレビCM枠にユニークデータを連携することで、ターゲットに対する「リーチ」や1人当たりの「FQ(フリークエンシー)」、「表示回数」「CPM(リーチ効率)」が試算されます。
このケースで仮に300万円という予算でCMを打つと、シミュレーションでは4割の人に到達して、1人あたり平均で1.7回、CPMが767円と割り出されました。こうして数字で見られるようになると、他のデジタル広告などと比較検討することができるようになります。
実際デジタルよりもコストがかからないことがままあります。
――ネットの場合はどうですか?
橋本:メディアが変わるだけで、大まかな違いはありません。
とあるアライアンス企業が行った離反・休眠ユーザーの掘り起こし施策では、ユニークデータの購買実績に即してセグメントを設定し、インターネット広告に出稿したところ、リアル店舗での購買率が非広告接触者の1.75倍になった例があります。
またネットの場合は、競合商品購買層をターゲットとしたダイレクトな出稿なども可能です。