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脱デモグラ!ユニークデータ活用で“買われたか”まで見える「循環型テレビCMマーケティング」とは

 CCCマーケティングは、2021年7月よりテレビCM枠の販売代理業、8月からはインターネット広告の販売を始めた。その狙いを、プランニング・バイイング・効果検証が一気通貫で行える「循環型のテレビCMマーケティング」提供のためと話すのは、CCCマーケティングで新規事業部門を統括する橋本直久氏だ。本記事では、サービス開始に至るまでの経緯やサービスが広告主や広告会社に与えるメリットを語ってもらいながら、同社が提唱する「循環型のテレビCMマーケティング」について学んでいく。

テレビCM枠販売でかなえた「循環型テレビCMマーケティング」

――CCCマーケティングといえば、ポイントプログラムとして展開されている「Tポイント」を基盤に膨大なデータを持たれている印象です。まず改めて、御社のサービスについて教えていただけますか?

橋本:Tポイントは、2003年にサービスを開始した共通会員システムです。Tカードの発行を受けたT会員が、Tポイントの提携先を利用するとインセンティブがもらえる一方で、そこから取得できるマーケティングデータを使って提携企業に向けたサービスを提供してきました。

 提携先は、コンビニやドラッグストア、スーパーといった流通系が多いのですが、次第に棚に並ぶ商品を持つメーカーも興味も持つようになってきました。

 その方々はTポイントのネットワーク内にはいませんが、棚の中の商品が魅力的になれば棚を提供しているアライアンスメンバーも得をすることになる。そういう背景があり、棚にある商品の情報を外部に提供するようになったのが2014年頃からです。

 以降はデータを基に、広告主の課題分析からターゲット設定、メディアプランニングや効果検証など、PDCAのDoの周辺領域のコンサルテーションを行ってきました。

CCCマーケティング 新規事業Div. ゼネラルマネージャー 橋本 直久氏
CCCマーケティング 新規事業Div. ゼネラルマネージャー 橋本 直久氏

――2021年に開始されたテレビCM、インターネット広告の販売もこのデータを活用したサービスなのでしょうか?

橋本:テレビCM出稿においては、既にテレビCM効果が最適な番組の組み合わせを比較・発見できる出稿分析ツール「MarketWatch Program Optimizer」(以下、MKW PO)を提供していたのですが、クライアントである広告主企業から、このMKW POで立てたメディアプランニングを、そのまま実行までお願いできないかと相談を受けることが増えてきました。

 はじめは代理店と協業してやっていたのですが、クライアントからすると窓口が一本化しているほうが楽ですよね。それでエグゼキューションに着手した流れです。

 今回テレビCM枠の販売を始めたことで、出稿プランニングからバイイング、効果検証が一気通貫で行える「循環型のテレビCMマーケティング」の提供が可能となりました。

広告費の6割を占めるテレビとネットを押さえる

――テレビCMに続き、インターネット広告の販売も始められましたよね。

橋本:これまで我々がダイレクトメディアとして持っていたのは、店頭媒体やT会員向けのメールやアプリ。そこに今まで使っていなかったテレビCMやインターネット広告が追加されたイメージです。

 約6兆円ある日本の総広告費のうち、6割近くはテレビとネットが占めています。その一番大きなパイで我々のデータがつながることで、クライアントのマーケティングソリューションになりえるとの考えです。

――現在のデータボリュームはどれくらいなのでしょうか?

橋本:約7,000万のT会員の年間利用者データを保有していて、うち4,500万の月間利用者から行動データを得ています。ネットID連携数は3,600万人を超え、Tポイント提携先は約5,700社で多種多様な利用データを分析可能です。テレビと結線している会員のテレビ視聴データが46万人ほどになります。

 当社では「ユニークデータを解決力に。」をキーメッセージに掲げ、CCCグループが持っているこうしたアセットを企業の課題を解決するソリューションとして提供することがミッションだと考えています。

低予算で狙ったターゲットへテレビCMを打つことが可能に

――テレビCM、インターネット広告の販売を開始されたことによって、具体的にどのようなマーケティング支援ができるようになったのか、提供サービスの全体像を聞かせてください。

橋本:当社のユニークデータをもとにセグメントを設定し、そこにリーチできる媒体枠を見極めたプランニング、テレビCMオンエア、デジタル広告配信を可能にします。そして配信後にはターゲットが実際に購買したかどうか効果検証し、次のプランニングにつなげるという一連のPDCAサイクルの運用を支援できるサービスです。

 今までのダイレクトメディアに加えてテレビCMやインターネット広告での配信が可能になったことで、いわゆる認知系メディアをおさえられるようになりました。購入や申し込みを後押しするダイレクトメディアも用意があるので、我々側のストックだけでファネル全体をカバーできる形になっています。

無駄の多い“デモグラ”からの脱却

――低予算で狙ったターゲットへCM出稿できるというのはどういう仕組みからでしょうか?

橋本:たとえば、お菓子メーカーが少ない予算でテレビCMを打ちたいとします。

 その際“スイーツ好き”を対象にしたいと考えても、従来のデモグラフィックなセグメンテーションでは、「関東の20~40代の女性」といった設定しかできませんでした

 そう設定した場合、約889万人が選定されるのですが、その中でスイーツをよく買う人は一部ですから、このセグメント全部にテレビCMを当てに行くともったいないですよね。

 こういうとき、CCCの購買データを使うと全体から“スイーツ過去購買者”を試算して、より効率的なセグメントを設定できます。さらにそのセグメントに属す人たちが見ているテレビ局や、どの時間帯にどういう番組を見ているかがヒートマップで見えるようになっていて、効果の高い出稿プランが立てられるのです。

 またそこでポイントとなるのが、15秒CMを1本単位で購入できる「SAS(Smart Ad Sales)」を中心に採用していること。従来主流であるタイムやスポットとは違い、テレビCM枠を1枠ずつ、それでいて放映日時や番組を選んで買うことができるので、スイーツ好きがどこにいるかを1本ずつシミュレーションすることが可能です。SASで販売されるテレビCM枠にユニークデータを連携することで、ターゲットに対する「リーチ」や1人当たりの「FQ(フリークエンシー)」、「表示回数」「CPM(リーチ効率)」が試算されます。

 このケースで仮に300万円という予算でCMを打つと、シミュレーションでは4割の人に到達して、1人あたり平均で1.7回、CPMが767円と割り出されました。こうして数字で見られるようになると、他のデジタル広告などと比較検討することができるようになります。

 実際デジタルよりもコストがかからないことがままあります。

――ネットの場合はどうですか?

橋本:メディアが変わるだけで、大まかな違いはありません。

 とあるアライアンス企業が行った離反・休眠ユーザーの掘り起こし施策では、ユニークデータの購買実績に即してセグメントを設定し、インターネット広告に出稿したところ、リアル店舗での購買率が非広告接触者の1.75倍になった例があります。

 またネットの場合は、競合商品購買層をターゲットとしたダイレクトな出稿なども可能です。

強みはシングルソースでつながったデータベース

――市場では運用型テレビCMが盛り上がりを見せていて、関連サービスも増えていますが、御社のサービスとしての特徴や強みはどこにあるとお考えですか。

橋本:最大の強みは、T会員の購買データとテレビ視聴データがシングルソースデータでつながるデータベースを保持していることですね。

 他社の場合はデータベースを持っていない分、推計や類推でプランニングや検証をしますが、当社はファクトデータベースなので精度が高い。

 それだけでなく、データがつながっていないとその間を類推するために、多変量解析や重回帰分析、またはAIが登場したりするのですが、シングルソースデータだと掛けたり割ったりといった四則演算でプランニングも検証も提供できるので、サービスの利用者・閲覧者が理解しやすいつくりになっているのも特徴ですね。

――どのような企業がサービスを利用して「循環型マーケティング」に取り組まれているでしょうか。

橋本:やはり引き合いが多いのは、商品棚に商材をお持ちのメーカー企業ですね。

 特に「テレビCMは高くて手が届かない」「自分たちのメディアじゃない」と思っていたような中堅メーカーからお問い合わせをいただきます。

 意外かもしれませんが、BtoB向けサービスを販売する企業の利用も少なくないです。変わり種でいうと、グループであるTSUTAYA/蔦屋書店の購入履歴を使って、「ビジネス書籍をよく購入している人」に向けてテレビCMなどの施策を打つケースなんかもあります。

 買う本から出てくる嗜好性はリアルなので、そのデータに興味ある方は多いです。

マーケティングをもっとシンプルに

――実際に利用されている企業からはどんな評価の声が聞こえていますか。

橋本:プランニング・バイイング・効果検証、その結果を次に生かせる循環型のテレビCMマーケティングを実践することで、コストパフォーマンスが上がったというお声はいただきます。今までのバイイングよりリーチコストは俄然よくなっているとのことです。

 あとは、今までメディアによってマーケティングのターゲットを規制されていて、たとえば「20代のスイーツ好き」などブランドが設定していたターゲットから、各メディアが設定しているセグメントである「F2層」などへ翻訳する手間が生じていたのですが、それを広告主がいつも自分たちが使っている言語に戻してあげて、テレビもネットも買い付けができる状態にできている点を広告主・代理店からともに評価いただいているようです。

――最後に今回のサービスに関する今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

橋本:テレビCMに限らず、昔は基本的に出したら投げっぱなしがいわゆる広告でしたが、現在は広告を含めたマーケティングビジネス全体がPDCAサイクルをなるべく早く回して環境に適用することが求められるようになっています。

 ネット系企業にとってそれは当たり前でしょうが、リアルが普通の会社にとってはできるようでそう簡単にできなかったりするもの。そこで我々のサービスを使ってもらうと、良い点・悪い点が明確になり、効率の良いマーケティングを提供できると思いますので、そうしたサポートをさせてもらえたら嬉しいです。

 あとは現代のマーケティングにおいてデータやIT、AIというテクニカルな要素はもはや不可欠ですが、何となくこれらに苦手意識を感じている人もいるでしょう。ですがマーケティングというのは、「認知」「理解促進」「購入」「リピート」と基本シンプルで、プランニングや実行自体もシンプルにできるもの。

 中でも我々のシングルソースという特徴のあるデータは、マーケティング活動自体を民主化、一般化するお手伝いができると思うので、もし難しく感じている方がいればシンプルにビジネスする環境を提供させてもらいたいと思います。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/31 11:00 https://markezine.jp/article/detail/38114