幅広くリードを集めるのは非効率
BtoBマーケティングのコンサルティング活動を行う中で、特定業界向けであったり、大手企業のみを対象としていたりする製品・サービスのマーケティング担当者から、「Web広告ではリードが取れなかった」「SEOは効果がなかった」「コンテンツマーケティングで成果が出なかった」といった声をよく聞きます。購買目的のキーワードで検索されておらず、ターゲットとなる企業数が限定的な場合は、第1回、第2回にご紹介した「検索や軸ずらし施策から新規リードを獲得する」手法と相性が悪い傾向があります。ターゲットとなる企業数が限定的な製品・サービスでは、幅広くリードを獲得してその中から絞り込んでいくアプローチ自体が合っていない可能性があるのです(図表2)。

たとえば、ターゲットとなる企業が1,000社の製品・サービスをWebサイト経由で受注しようと思うと、次のようになります。

上記は非常に広範囲にリーチし、最適なWebサイトが用意され、インサイドセールスが素早くアプローチできる、受注率が極めて高い場合の数字です。各施策をすべて高水準に整備したとしても、平均0.3件/月しか受注できないのです。
一方で、ターゲット企業を明確に定め、ピンポイントでアプローチをすることで大きな成果に繋がっている事例があります。私が過去に経験したケースでは、ターゲット企業に対して郵送でDMを配布することにより、次のような成果に繋がったことがあります。

なお、Web広告やSEOそのものを否定しているわけではありません。実施のポイントは後述します。