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デジタルマーケティングにおける「Humanity=人間らしさ」の実現

「人間らしいブランド」に備わっている特徴とは?定量調査から理解する

どんな機能が人間らしさにつながるのか?

 機能的特性においても、どのような属性が人間らしさを強化するレバーになったのかを調査しています。まずは人間らしさを発揮する項目トップ10を紹介します。

 前述のように、本調査ではこれらの機能的な要素を3つのカテゴリー(パーソナル、思いやり、自然なコミュニケーション)に分類しました。カテゴリーごとの特色と影響力をまとめた結果は、以下の通りです。

パーソナル

 ブランドに対しての人間らしさを感じる要素のうち24%は、パーソナルなコミュニケーションがもたらしています。これは機能的な分類の中では最も高い数値です。

 パーソナルな分類の特徴は、上述のようにブランドがお客様の状況を理解し、提案できることです。

 むやみやたらと提案をするのではなく、顧客が好まないものを避けることも望まれているようです。先進企業は過去のあらゆるコンタクトポイントから、顧客の求めている情報を収集し、時には位置情報や天候情報などの外部のデータと掛け合わせ、インサイトを得る努力をしています。顧客を理解できていれば、支援が必要となったタイミングで、必要な提案だけを行うことができます。そのようなアプローチは人間らしさの醸成につながっていることを示しています。

思いやり

 ブランドの人間らしさの23%は、個人的で思いやりがあると認識されることから生まれます。4つのカテゴリーの中で3番目に強い影響力となります。

  つまり「お客様の利便性を第一に考えたコミュニケーション」が望まれていることがわかります。これは、効率性を最優先する企業においては都合の良い結果には映らないかもしれません。しかし顧客は自身が好むチャネルやコンタクト方法を理解し、それを利用してもらいたいのです。

 ブランドは、お客様が必要な時にブランドと対話できるように複数のチャネルを用意することで、思いやりのあるコミュニケーションを促進することができます。メール、プッシュ通知、SNS、チャット(人間またはボット)、コールセンターなど様々なチャネルが存在します。その中で、思いやりのあるブランドは、顧客の好みや。いつコンタクトをすることが好まれるかを把握するべきです。たとえば、メールをまったく開かない顧客に大量のメールを送り続けることは、この思いやりと真逆の行動です。

自然なコミュニケーション

 人間らしさのうち14%が自然なコミュニケーションから醸成されています。4つの分類の中では最も低い数値となります。普通の人のように、お客様の心に響くようなトーンで、わかりやすく話していることも、人間性を感じさせるレバーとなるということを示しています。

 これらの特徴から、人はブランドが自然な会話にふさわしい、明確なコミュニケーションができることを臨んでいることを示しています。自然なコミュニケーションを得意とするブランドは、普通の人が話すように、お客様の好みや状況に応じたトーンで話し、明確でわかりやすいメッセージングの提供を実現できているようです。

まとめ

 「人間らしさ」がいかにビジネス上の成果につながるのかを挙げ、その要因を分類し、重要度を数値化することが実現されました。このデータを読み解くことで、これまでぼんやりと描かれていた「人々の望むコミュニケーションは何か」「嫌がられるコミュニケーションは何か」が明らかになってきました。

 顧客はやはり人間なのです。対面で求められるような「相手を理解し、適切な提案を行える」能力はデジタル上でも求められます。ただしそこに面白い、奇抜である必要はあまり求められていません。

 これらの結果を、自社の現在の取り組みに照らし合わせてみてください。現状抱えている課題がどのような感情的、機能的な背景からもたらされているか理解ができるかもしれません。本記事がそのヒントになれば幸いです。

次回は、本記事で取り上げた「人間らしさ」を実際に実装した企業の施策例を紹介します。当テーマの実現方法がより具体的に理解ができると思います。皆が知っているあの施策が、実は緻密に設計された「人間らしさ」に支えられていたりします。

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この記事の著者

森田 恭平(モリタ キョウヘイ)

Braze株式会社 ソリューションコンサルタント。アドビにて数々のマーケティングのソリューション部門の立ち上げとマネジメントを経験。グローバル最大の売上記録を残すなど成果を収める。国内におけるパーソナライゼーションの黎明期からの第一人者として、多くのエンタープライズへ導入を主導。2021年、ソリューションコンサルタントとし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/03 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38354

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