コミュニティがカスタマーサクセスの中核に
――では、コミュニティが重要な理由についても教えてください。
コミュニティが重要な理由は、先ほどお伝えした概念としてのカスタマーサクセスの中核になるためです。製品開発やマーケティング、職種・部門としてのカスタマーサクセスにもコミュニティは活用することができ、継続的に効果が得られるストック型の施策と言えます。
さらに、コミュニティ施策には以下の4つのメリットがあります。
1.スケーラブルなカスタマーサクセスが実現できる
2.顧客エンゲージメントを高められる
3.顧客の声をより良く取得することができる
4.アンバサダーマーケティング、カスタマーマーケティングの効果が創出できる
カスタマーサクセスの担当者が1対1で全ての顧客とコミュニケーションを取ろうとすると、必ず無理が出てきます。しかし、コミュニティという場を用意することにより、たとえば過去に顧客から出てきた質問とそれに対する回答をストックして後々活用するといったことが可能になります。その他にも、ユーザー同士での課題解決もできるので、限られたリソースでもより多くの顧客のカスタマーサクセスをサポートすることが可能になるということが1つ目のメリットです。
2つ目は、コミュニティがあることによって、企業とユーザーの距離、ユーザー同士の距離が近づき、双方向でのコミュニケーションが生まれやすくなります。これにより、導入しているユーザーがどのようにサービスを利用しているかといった情報が集まるようになります。
3つ目は、コミュニティでは公式窓口からの問い合わせや、顧客インタビューなどでは見えなかった生の声・利用実態などが見えてきます。また、ユーザーが製品開発に参加することもできます。
4つ目は、コミュニティを通じて顧客エンゲージメントを高めることで、それがコミュニティ外にも波及していきます。たとえば、コミュニティを通じて醸成されたロイヤルユーザーが、アンバサダーやエバンジェリストとなり、ライトユーザーや未顧客にとって価値ある情報を提供してくれます。その結果、アップセルや新規顧客の開拓にもつながっていきます。