2022年、デジタル動画とソーシャルメディアはどうなる?
4.デジタル動画-優先度第2位
4つ目のデジタル動画に関して、日本のメディア専門家は「CTVとデジタル動画が2022年に最もイノベーションの機会を秘めている」と回答した。Industry Pulse Reportでは、デジタル動画の広告費は24%増える予測で、2022年に4,800億円を突破する予測だ。

5.ソーシャルメディア-優先度第3位
5つ目のソーシャルメディアに関する調査では、46%の専門家が「ソーシャルメディアにおける品質指標の透明性不足がソーシャルメディアへの広告投資にマイナスの影響を与える」と回答。また、「透明性の欠如により消費者の信頼低下を招いている」との回答が39%と、優先度の高いチャネルではあるものの懸念点も目立つ結果となった。
日米で異なるメディア品質に対する意識
記者発表会では5つの重要なポイントとは別に、メディア品質に関する調査結果も紹介された。その中では、日本とアメリカでメディア品質の向上に対する意識の違いが明らかになった。
まず日本は、71%のマーケティング担当者は「モバイル在庫の品質を確保するために第三者による広告検証を望んでいる」と回答。また、79%が「動画ストリーミング在庫の品質を確保するために第三者による検証が重要になる」と答えた。
ただその一方で、アドフラウドの削減とブランドリスク削減それぞれに責任を負うべきはパブリッシャーとの回答が一番高く、広告主からすると少し他人事とも言える回答結果となった。
では、アメリカではどうなのだろうか。同国では、81%のマーケティング担当者が「モバイル在庫の品質を確保するために第三者による広告検証」を希望。「動画ストリーミング在庫の品質を確保するために第三者による検証が重要になる」と回答したのは81%と、日本と近しい結果になった。
その一方で、「アドフラウドの削減に最も責任を負うべき」で一番回答が集まったのは検証技術プロバイダー、「ブランドリスクの削減に最も責任を負うべき」なのは広告主/ブランドと、日本と責任を負うべき対象が異なった。この結果から、日本とアメリカでのアドベリフィケーションに対する意識・取り組みの推進具合の違いが見て取れそうだ。
ここまでIndustry Pulse Reportの結果を見てきた。IASは今回のレポートの提供を通じて、業界に対しメディア品質とメディアコストの両立ができることを伝えたいという。これまではコスト重視でビューアビリティやブランドセーフティが担保されていない枠に広告を出稿してしまっていたところが、広告主の意識も変化し少しずつメディアの品質に目が向き始めている。2022年は、メディアの品質を高める動きが様々なところで加速しそうだ。