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au PAYのチャージ率アップの裏にUX改善 KDDIに聞くユーザー行動分析とグロースの鍵

 大手通信キャリアのKDDIでは、キャッシュレス文化のより一層の普及のため、2019年の4月からスマホで簡単に決済が行える「au PAY」サービスを展開している。ユーザーのより積極的な利用を目指し、サービス改善のヒントを得るために、USERGRAM(ユーザグラム)を導入したという。アプリ開発のグループリーダーである高野智秋氏、UX・サービスデザイン部のグループリーダーである川口一憲氏に、利用拡大において直面した課題と、改善の根拠を得るために必要な分析とその先進的な手段について詳しくうかがった。

お客様の日常にワクワクできる体験を届ける「au PAY」

――まずは現在のKDDIの経営戦略を伺えますか?

川口:KDDIは2020年3月期~2022年3月期の中期経営計画において、新たなブランドスローガンとして「Tomorrow, Together」を掲げ、3つの「目指す姿」念頭に置きながら様々なサービスやプロダクトを展開しています。

KDDIが掲げる3つの「目指す姿」
  • お客様に一番身近に感じてもらえる会社
  • ワクワクを提案し続ける会社
  • 社会の持続的な成長に貢献する会社

高野:我々が携わるau PAYは、日常的に利用する決済サービスとしてもアプリという媒体の側面でも、お客様にとって身近な存在になり得ます。従来よりも楽な決済や、ポイントを溜めてお得に使えるといった体験価値でワクワクを提供し続けられればと考えています。また、キャッシュレスという文化はコロナ禍を経て一挙に浸透していますが、今後の社会において進化していく将来においてその創造の一端を担えればと考えています。

KDDI パーソナル事業本部 マーケティング統括本部 au PAY企画部 アプリ企画グループリーダー 高野智秋氏

――お二人のポジションや具体的な業務内容についてもご紹介ください。

高野:私は、au PAY企画部でau PAYアプリ全体の企画を担当しています。具体的な業務としては、アプリの機能、デザイン、ユーザビリティ、アプリでのコミュニケーションなど、アプリ全体のことを見ています。いわゆるプロダクトオーナー、プロダクトマネージャーのようなポジションです。

川口:私は、KDDIの様々なプロダクトを横断して統括しているUX・サービスデザイン部に所属しています。データ解析やUXデザイン、サービスデザインなどの領域に精通した人材やツールなどのアセットを持ち、各プロダクトの担当部門を支援する役割を担っています。

KDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 UX・サービスデザイン部 デジタルマーケティンググループリーダー 川口一憲氏

「チャージ率」の伸び悩みが顕在化

――そもそもau PAYのグロースにおいてどのような課題を抱えていたのでしょうか?

高野:大きく分けて2つあります。1つは「チャージ率」の伸び悩みです。2019 年にリリースして以降、au のユーザー基盤が大きいこともあり、au PAY の月間のアクティブユーザー数は順調に成長していました。一方で、決済に利用するためにお金をチャージする人の割合は伸び悩んでいたんです。

川口:キャンペーンイベントなどを開催してより多くのユーザーを獲得するための施策も講じましたが、状況は変わりませんでした。この先いくら母数を増やす施策を繰り返しても一過性のもので終わってしまい、サービスとしてグロースしないだろうと考えました。

 もう1つの課題は、ステークホルダー間の統一した指標がなかったことです。au PAYはプロダクトとしては1つでも、マーケティング部門、営業部門など関わる部署が複数あります。ステークホルダーの数だけKPIが存在するため、指標がまとまらないという課題がありました。

――どのような対策を講じたのでしょうか?

高野:私はUX領域の出身だったため、プロダクトのチームメンバーには「体験を大事にしよう」と話してきました。お客様の体験を想像するためにはまず自分たちが体験することが重要だと考え、自社サービスを使うことから、分析のツールを使うことまで体験を促しました。

 ちょうどその頃、UXの分野で業界をリードするビービットさんにご相談する機会があり、代表の遠藤さんとお話する中で、KPIの整備に加えて「サービスをグロースさせるための専任チームを作った方が良い」とアドバイスをいただきました。加えて、UXグロース活動推進のためにユーザーの行動を可視化するUSERGRAMをご紹介いただきました。

川口:KPIを整備した上で成果を上げるためにはグロースチームの発足が必要であると感じ、またグロースのためにはお客様の行動をより精緻に把握しなければと考え、USERGRAMの導入を検討しました。

次のページ
社内外との連携でサービス改善専門の「グロースチーム」を発足

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/07 10:00 https://markezine.jp/article/detail/38543

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